高校2年生の頃、エレキギター歴1年の自分。

ギタリストとして初めて組んだバンドが、BUCK-TICKのコピーバンド。

なぜBUCK-TICKか?

そのバンドのメンバーが自分を含め、ドラム、ベース、もう一人のギター、ボーカル全員が初心者。なのにやりたいのはV系というなかなか厳しい条件。先輩に初心者でもコピーできるV系ありませんか?と相談したところ、BUCK-TICKのキャンディを勧められたのだ。


世代的にはグレイ、ルナシー、ラルクあたりが王道だったのと、メンバーも本当はルナシーがやりたかったというのもあり、最初はあまり乗り気ではなかった。

でもルナシーの演奏は難しい…できない…。

とりあえず、そのキャンディが入ったアルバム「COSMOS」を購入。

1曲目からアバンギャルドな世界観で、当時の自分には理解不能だった…。

しかも2曲目、先輩から勧められたキャンディがまさかの全く刺さらず…。

ああ、これは無理だなと思いつつもその先の曲も聴き進められたのは、ボーカル櫻井さんの素晴らしい声のおかげだった。

この声で、未熟な自分でも入りやすい曲があれば…と歯痒い気持ちで迎えた6曲目「idol」。

落ちました。

めっっっっっちゃカッコいいいいいいいい。

その感動には5曲分沈んだバネの反動もある。

完全に失礼な言い方でしかないが、理解不能に我慢させられた後の「許容範囲」は絶大なパンチ力なのだと知る。

だが、それはこの上ない「音楽と向き合うための経験」になった。

その後、不思議なものでキャンディ含め他の収録曲も好きになり、ゆっくり掘り下げようとCOSMOSの前作「Six/Nine」へ。

心が完全に持ってかれた自分にとっては最高にかっこいいアルバムなんだけど、これを最初に聞かなくて本当良かったと思うくらい濃厚なアルバム。

次にみんなが良いという「悪の華」を聴くためにアルバム「悪の華」を聞いたが、櫻井さんのボーカルが別人?というくらい軽い感じで…少し困惑…。

友人の勧めで「殺しの調べ」を購入。

そこに入っていた再録バージョンの「悪の華」が俺が初めて聞いた時の櫻井さんの声で、オリジナル「悪の華」を聞いた時の反動でまたやられる…初っ端のシャウトに鳥肌。

だが、聞いていくうちに昔の悪の華はあれはあれでいいなと思うようになる。

そう、大切なのはそこ。

悪い曲なんてない。

ただ、余裕がないだけ。

自分にとって、その「余裕」を教えてくれたのがBUCK-TICK。

SEXUAL ×××××!」〜「SEXY STREAM LINER」までは大体全部聞いたけど、それ以降は違う音楽にハマって聞かなくなっていった。

でも間違いなく、自分の音楽に大きな影響を与えたバンド。

あまりに突然の事で、まだまだ実感ゼロのまま、綴っている。

きっとあの周りと全然馴染めなかった若い日々、BUCK-TICKに曲がらなければ今の世間とズレてもやっていける強さは無かったでしょう。

本当にありがとうございました。

心よりご冥福をお祈りします。


20231028()大館ROCK INN LINDA LINDA 「澄んだ空は裏切りの合図」

開場19:00開演19:30

¥3000(+1drink)

お名前と枚数、公演日を明記の上、yoyakujk@yahoo.co.jp

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