「暑」
アブラゼミの声。
湿る風。
たまに見える太陽。
暑。
去年とは違う夏。
どこか
閑散とした川辺。
来年は
どんな暑さになるだろう。
「夏至」
あつい
あめがふらず
つちもかわく
ながいひ
わくわくもする
よるがまちどおしい
さむかったときより
よるは
さわがしい
かえるのこえ
むしたちのこえ
ばいくのおと
くるまのおと
まだねむりたくない
そわそわ
わくわく
「指」
だれかを
ゆびさすのは
かんたん
でも
ゆびをさしているひとは
そのひとをみるために
たちどまっている
ゆびをさされたひとは
もくひょうにむかって
まえをみている
そのゆびは
さすためにあるのか
まえをみているひとの
ゆめをみちびくためにあるのか
えらぶのは
あなたのゆびさき
あなたのこころのさき
「舵」
どこにいこうか
もっと こうしたい
もっと そうなりたい
けついするたび
かぜは つよく
なみが あれる
こぎだそうとしても
すすんでいるのか
もどっているのか
わからなくなる
なりたい じぶん
そのための みち
みらいが かすむ
かじをとる
だれでもない
じぶんで
そのてで
そのあしで
その
もえる こころで
まっすぐな ひとみで
「すべきこと」
やりたいこと
しなければいけないこと
できること
できないこと
するべきこと
しなくていいこと
つかれは わるいほうにかたむく
したいこと
すべきこと
そうならないこと
そこからぬけだすこと