処刑1時間前。
私は顔を上げた。
たくさんの人が笑いながら、早くやれ、すぐやれ、と言う声が聞こえる。
3日前、父は捕まった。
父はこの国の王様だった。
だが父の代、度重なる飢饉や、戦争の敗戦などもあり、どんどん人々は死んでいった。
それで、いま私たちは処刑台の上にいる。
はあ、なんで私まで殺されなくちゃいけないんだ...
正直そんな思いだ。
あの時楽しかったな...
とか、
最後に好きな人と少しでも話したかったな...
とか、
まるで死ぬ前みたいなこと考えてる
あ、死ぬんだった...
私の親はとても厳しくて、
恋人ともろくに合わせてくれなかった。
お前の将来の相手は私たちが決めるんだ~とか言われて。
とか考えていると
あっという間に残り5分まで迫っていた。
あぁ
とうとう死ぬんだ...
そんな時だった
「リリィ」
叫び声が聞こえた
その一言で、周りはすっと静かになった
え?
そんなはずない
そう思って振り向くと、確かに彼がいた
「リリィ」
「ごめん、ごめん、絶対幸せにするって決めたのに...」
「守るって決めたのに...」
知ってるよ
それに
どうにもならないことも
でも
そんなこと言われたら...
「時間だ」
その言葉に私は静かに動き出す。
台に首を乗せる。
まるで何かの決めごとのように。
「リリィ、ごめん、なかなか言えなかったけど」
ずっとずっと好きだった
私も...
私も...あなたが好...
鐘の音
振り下ろされた斧
先ほどとは裏腹に静かすぎる会場
美しく飛び散る血
この血が
この二人の最期を彩った