日進月歩のリハビリテーション | 文章で人の心を動かしたい。ワクワクして欲しい。

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理学療法士です。リハビリに関する話はもちろん、ワクワクするブログを書けるように頑張ります!

こんにちは!プロリハ研究サロンの理学療法士、唐沢彰太です。

 

医療の常識は日々変化する。

これは医学の領域でも医療の領域でも常識です。5年前の常識は今の常識ではなくなっていることが多くあります。

 

例えば、私が学生の頃に習った牽引ですが、海外では禁忌となる症状が非常に多くお子行われていないケースがほとんどになってきています。

また痛みに対するリハビリでは、痛みを我慢して訓練を行う風景が昔のリハビリ室では見られていました。ですが、痛みがある中で運動することでの脳への影響が研究でいろいろと分かってきたことで、痛みの無い訓練をいかに効果的に実施していくのかが重要になってきています。特に運動恐怖感(運動する事で痛みが強くなるのではないか)が強い方に対しては、まずは運動に対する認識を変化していかなければならないなど、10年前のリハビリとは全く異なった内容に変わってきています。

 

ですが、この様な最新の情報は臨床現場になかなか浸透しません。今までの常識を変えるような内容であってもです。

数年前に、脳卒中発症後から48時間以内にリハビリを開始した場合、48時間以降に開始した人と比べ優位に日常生活のレベルが悪かったという報告がされました。開始するのが早ければ早いほどリハビリは良いとされていた常識が変わるほどの衝撃でした。もちろん患者さんによって違うのでしょうが、そのあたりの選別が正しく行われているのかどうかは、疑問が残っているのが現状です。

 

なぜこのような最新の情報が臨床現場へ浸透しないのか?

1つは、医療現場は一人一人の集合体で、病院という閉鎖的な環境で完結してしまっている事が考えられます。上に書いたような最新の情報は、一人一人のスタッフが外部から取り込まなければなりません。もし、外部からの情報を積極的に取るスタッフがいない病院だったら…想像は難しくありません。

もう1つは、研究領域での成果を臨床現場に持ち込むのは、思っている以上に難しく簡単ではないことです。新しい論文を読んで、自分のリハビリに反映させるにはスキルが求められます。もし研究結果を取り込むことに集中してしまうと、患者さんを一人の人としてではなく、疾患や症状を対象として見てしまう事も少なくありません。

 

今のリハビリの問題は、病気になってしまった人やケガをしてしまった人などリハビリに関与した人に大きな影響を与えますが、リハビリに関与しない人の方が多い世の中では表面化してきていません。ですが、いつ表面化しリハビリに対する信用度が下がるか分からないのも事実です。一人一人が高い意識の元、十分に情報が得られスキルアップできる環境を作ることが、先輩セラピストの役割だと考えています。

「勉強しなさい」というのは簡単ですが、勉強できる環境を作るのは難しい…この難題を解決するために私は動いていきます。

 

プロリハ研究サロン(9/1より運営開始です!詳細は近日公開します)

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facebook:唐沢彰太 理学療法士、作業療法士・言語聴覚士の未来を考える