私が沖縄に注目し始めたのは次の文章によるものである。
「内地の古俗を化石させて、そのまま保存して来た琉球のそれ」
(日本巫女史、第一篇、第一章、第二節・我が国に於ける巫女の発生)
しかし、最近では一部で沖縄人と日本人は違うということを主張する人もいるようで
この説に従えば、沖縄の習俗を日本の古俗の参考にしてしまうのは間違いのもとに
なってしまう。
まず遺伝子的な面からいえば
「九州以北の本土の住民とは同じ祖先をもつことが最近の遺伝子の研究で明らかになっている。また、中国南部及び東南アジアの集団とは地理的には近く昔から活発な交易がおこなわれていたため九州以北の日本本土住民と違いその影響があったと考えられていたが、遺伝子の研究から中国や台湾の集団とはかなり離れていることが判明している。九州以北の日本本土住民との近縁性と共にそれを介して北海道のアイヌ民族との近縁性も指摘されている。」(Wikipediaより)
であり、沖縄人は遺伝子的に日本人であり、中国や台湾人とはあきらかに異なるとのことである。
言語についてはどうであろうか。沖縄の各方言は本土の日本人には聞き取れないほどのものであるが
これはやはり違う言語ではないのか?
言語学的には
「琉球語(琉球方言)と日本語は、音韻体系の対応などから同じ系統であることは明らかであるが」
だそうで、
独立言語とみなす場合と方言とみなす場合の二つの説があるそうだが、
「独立言語として見た場合、日本語と系統が同じ唯一の言語と見なされ、日本語と琉球語を合わせて日本語族あるいは日琉語族と呼ばれる。」
であり、いずれにしろ同一言語の系統であることに変わりはないようです。
それどころか沖縄方言には日本本土ではなくなった奈良時代以前の日本語の特徴や
平安時代あたりの古い大和言葉の名残があるというのである!。
まさに冒頭にあげた「内地の古俗を化石させて、そのまま保存して来た琉球のそれ」