12/23にアップした名古屋のHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)調査の問題点を指摘した記事が

本日(1/31)アメブロ規約違反として、削除されました。


記事の内容としては、名古屋のHPVワクチン調査の問題点と、

村中璃子(中村理子氏?)の経歴に言及した2つの内容がありました。


少なくても前半の記事については、問題ないはずですので、

最重要の12/23付の名古屋の記事を再度アップします。


**** 2015.12.23 の記事 ****


先日、名古屋市が行ったHPVワクチンによる健康への影響を調査の速報データが発表されました。

(子宮頸がんを防ぐワクチンではないので、子宮頸がんワクチンではなく、HPVワクチンと記載します)

http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000073419.html


結論
今回調査した24項⽬の症状について、ワクチン接種者に有意に症状のある⼈が多い項⽬は無かった。
※この結果は統計的な分析であり、個々の事例の因果関係については慎重に判断する必要がある。


との内容について、多くの誤解を招きながら、情報が拡散されています。



この調査は、実態調査としては大変有意義なものですが、

その結果や解釈(解析)には大きな問題がたくさん含まれています。


薬害オンブズパースン会議は、直ちに問題点を指摘して意見書を出しています。

http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=906


このほかにも、指摘されていない多くの問題がありますので、気付いた点を指摘します。



(1)ごく少数の不正回答が結果に大きな影響を与える恐れ


まず、調査の信憑性について、大きな問題があります。無記名調査なので、悪意を持って調査を妨害しようとする少数の回答によって、結果が左右されてしまいます。


一般的な健康調査であれば、少数の不適切な回答があっても統計的処理でその影響は小さくなります。しかし、今回のようなワクチンの副作用については、頻度がそれほど大きくないけど重篤なものが含まれます。具体的には、数千例に1例といったものもあります。


この場合、悪意を持った利害関係者(大学教授、産婦人科、製薬メーカー等の業界関係者)が、例えば10名分の回答を、非接種群でも重篤な疾患を発症したと回答してしまうと、簡単に結果が操作されます。

このような不正は、無記名ですからバレませんし、有印私文書でもありませんから、虚偽を回答しても犯罪とはなりません。


そのため、稀な疾患について、今回の非接種回答者を対照群(コントロール)として比較する発想は根本的に間違っています。



(2)年齢調整の補正は不適切な後出しジャンケン解析で、手法も不適切


本調査の手法、解析担当者、細かい手法については、今のところ公開されていないようです。

統計解析について、後から無理やりこじ付けをすることは大いに問題です。



たとえ話をすると、「私は大吉以外のおみくじを引いたことがない」と言って、大吉の写真ばかり見せる人がいたら、あなたはそれを信じますか?


大抵の人は、「うさんくさい」と思うでしょう。


「大吉が出るまで、何回もおみくじを引き続けて、当たりが出た瞬間だけ写真を撮った」と容易に想像できるからです。


統計解析も同じで、「何百通りの解析手法を行って、都合の良い1つの解析を報告し、後の都合の悪い解析結果を隠す」といった不正が可能です。


そのため、疫学調査として解析するのであれば、事前にどんな項目で調査し、その手法は妥当なのか吟味し、さらに解析手法の手順、データの取り扱いや公表など、オープンにしていないと、その解析は信用できないことが多いのです。


実はこのような統計解析の基本中の基本について、人文系、心理系、社会系の大学や、一般の調査機関でも知らない人が多く、世の中には信用ならない統計情報があふれています。


さらに、誰が研究・解析を行っているか、利害関係者が関係していない第三者が行っているかなども重要です。


なお、「年齢調整の調整手法自体が不適切!」な点は、薬害オンブズパースンの意見書にも記載されている通りです。



(3)調査対象の健康状態について、程度、頻度、症状の期間や重なりが考慮されていない。


HPVワクチンの被害について、さまざまな症候群であって、重症者ほど細かい回答は難しいでしょうし、生活に影響を及ぼす「深刻な症状に重みを置いた調査」が必要だと思います。



深刻な「不随意運動や歩行困難」などは、頻度が少ないものの、明らかに接種者が多いですから、素直に結果を受け止めて、まずは、生データを公表してほしいものです。