我々のいる時空では、空間は3次元なのに対し、時間は1次元しかありません。
もし時間が2次元以上だったらどうなるのか?
この問題は、時間を追求する本トピにとって大変興味深いテーマですが、いかんせん私のレベルでは考える手がかりなしではとても手に負えません。
ところが、竹内薫さんのブルーバックスの1冊にこの点を論じた英語論文のサイトアドレスが載せてあるのを1年以上前に見て、早速プリントアウトしたのですが、引越騒ぎで紛失してしまい、またサイトアドレスも分からなくなったと思い込んでいたところ、幸い最近ペーパーが出てきました。
今回解読?した結果をご紹介したいと思います。
プリンストンにある高等研究所(Institute for Advanced Study)のマックス・テグマーク(Max Tegmark)による「時空の次元数について」"On the dimensionality of spacetime"という論文です。
http://space.mit.edu/home/tegmark/dimensions.pdf
ネットには1997年2月の日付のものと同4月のものとが載っていますが、内容は同じだと思います。
例によって図解から始めたいと思います。
第 1 図
時 5 △ ◇ ☆ ☆ ☆ ☆
間 4 △ ◇ ☆ ☆ ☆ ☆
の 3 △ Ta ☆ ☆ ☆ ☆
次 2 △ × ☆ ☆ ☆ ☆
元 1 △ × × ● ◇ ◇
数 0 △ △ △ △ △ △
0 1 2 3 4 5
空 間 の 次 元 数
●:我々のいる世界
Ta:タキオンのみ存在
◇:不安定
×:単純すぎる
△:予測不可能(楕円的)
☆:予測不可能(超双曲的)
時間、空間とも6次元以上は5次元と同じ。
以下、この図を理解するのに必要な範囲で抄訳してみます。
0.要約+図の注
空間3次元、時間1次元以外の時空は、観測者を欠く「死の世界」である。
我々の時空では、自然の偏微分方程式は観測者に予測を可能にする双曲的性質をもっている。
しかし、時間の次元数が1以外の時空では、自然の偏微分方程式が楕円的あるいは超双曲的となり、物理は観測者にとって予測力をもたない。
時間の次元数が1の双曲的な場合のうち、空間次元数が4以上のときは、原子は安定ではなく、したがって安定な構造も存在し得ない。
他方、空間次元が2以下のときは、重力が存在し得ないこと、トポロジー的問題が生じることなど、観測者が生まれるには単純すぎ不毛すぎる。
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時空の次元数について2 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)
★今回はここまでにしておきますが、とても面白そうだと思いませんか?
ただ先に行くほど難しくなって、私も半分くらいしか理解できません(T_T)
偏微分方程式のところは、数学のあまり得意でない方もなんとなく分かるように説明したいと思います。
★★ ネタが尽きてきたので、連載の最後のものをアップすることにします。
これも途中で挫折しているのですが、その後を引き受けてくれる人が現れたりしました。