ふぞろいの葡萄たちは

何も考えない


ただ気持ちよく

空からぶら下がっているだけ


ふぞろいだからと言って

別に気にしない


大きかったり

小さかったり


すき間があったり

葡萄色に成り損ねたり


そんなことより


太陽の光と雨と風を

感じる心地良さを

葡萄たちは知っている


ふぞろいの葡萄たちは

何も考えないが

大切なことは感じている


やがて鳥や虫や人間に

食べられてしまうだろう


だけど

そんなことは考えない


今日の陽射しに

今日の風に

今日の雨に

命を委ねる幸せを

感じながら

ただ生きているだけ