茗荷の花にも 誇りはある

 

何かとても 貧相で

価値など無さげに見えるけど

料理を引き立てる茗荷の実を

ここまでにしたのは花なのさ

 

花は実の引き立て役

実は料理の引き立て役

 

脇役の価値は

時に主役を超えてしまう

 

そんな君を残して 夏は行く

 

嘆いているかのように

横たわる最後らしき茗荷の姿を

やさしく包んでいるのは

九月の風と木洩れ陽の調べ

 

雨上がりの初秋よ

 

しょぼくれた色の 花の一生に

輝きを与えてくれるのか?

 

 

 

 

 

image