ただ、あんたの言葉を聞きたい。
俺は誠一と出逢わない方が良かったのか、
それとも、出逢って良かったのか、
あんた、どっちだと思うんだ?
答えてよ、なぁ   『聖なる黒夜(上)』より抜粋

ブロ友さんに教えてもらって夢中で読んだ柴田よしきさんの『聖なる黒夜』。今日2月14日はバレンタインデー。山内練がもう一度生まれた日。
練をはじめ、登場人物がとにかくみんな魅力的で私は韮崎誠一と山内練の関係性にゾクゾクドキドキしっぱなしだった。もちろん麻生と練の描写にも。


誰にも見つからない
街の灯も灯らない
交差するクレーンを一人見上げた
今は叶わないことばかりのまま
ただあるいていこう

冷たさが吹いてきた 悲しみがこみあげてきた
降り積もったすべてよ 時間を超えてよ
そして今までなんてなかったように
はじめていこう 

別に言うことなんてない
言ってもいいことなんてない
人知れず黙り方を覚えた
いつか変わらない日々を穿つような
鐘がなるはず

粉雪が降ってきた 可笑しさがこみあげてきた
最高な夜だね 泣けてくるから
運命に膝まで濡らさないように
はしっていこう

この世に一つの鐘の音よ

冷たさが吹いてきた 悲しみがこみあげてきた
降り積もったすべてよ 時間を超えてよ
そして今まで全部なかったように

気づいたら 少し涙
もう一度帰れたとしたなら
全てに変えても守りたいものを
けして手放さないように
はしっていこう

大好きなビッケブランカの『まっしろ』を聴きながら読み返す。
今の私にはこの曲の歌詞全てが山内練に想えてたまらなく切なくそしてたまらなく愛しさでいっぱいになる。彼の人生の針はどこでどう狂ったのだろう。
練が今日この日だけでもどうか寂しくありませんように。
来年も再来年もきっとこの先、私はバレンタインデーに同じことを願うと思う。そして大好きなブロ友さんと残酷なまでに美しい練の物語を語るんだ。