高血圧の合併症である腎臓疾患 | 体の悩み解決ブログ

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腎臓は泌尿器系の器官の一つですが、実は高血圧と非常に関係のある臓器なのです。背中側の腰骨の上辺り左右に一つずつ位置している握りこぶし大の臓器です。尿を生成し、それを体外へと排泄する大切な役割を果たしています。血液を濾過して尿の元をつくる糸球体と、その尿の元から必要な物質や水分を再吸収する尿細管から出来ています。腎臓に流れ込んだ血液は、糸球体で濾過され、尿になり、尿細管を通っていき、不要な老廃物を尿に載せて流します。腎臓に疾患があれば尿の生成が正常に行われない可能性があるのです。


尿を作るということはとても大切なことで、体の外に老廃物を排出する役割があります。他にも塩分量を調節したり、血液のpH(酸性、アルカリ性)の調整を行ったり、ホルモンを生成したりする働きがあります。腎臓病になるとむくみが出るということはよく聞くと思いますが、これは塩分量を調整する機能が低下するからです。人間の体には水分が多く含まれていますが、その中にはナトリウムやカリウムが存在しています。このナトリウムの量によって水分量が決まります。腎臓が正常に機能している状態であれば塩分を摂取しても尿として排出されるので水分量を保つことが出来るのですが、機能が低下している状態であれば塩分を取りすぎると体内に水分が滞留してしまい、むくみという症状が起こります。水分量が増えるということは血液の量も増加するので血圧が上がる原因となります。これが高血圧と腎臓疾患の関係です。カリウムを排出する機能が低下すると、血液中のカリウムの値が上昇し、不整脈につながることがあるので注意が必要です。


また、腎臓からはエリスロポエチンやレニンといった多くのホルモンが分泌されているのですが、
エリスロポエチンは赤血球を増加させる効果があります。腎臓の機能が低下するとこのホルモンが分泌されにくくなり、赤血球が少なくなってしまいます。そうなると貧血につながる可能性があります。レニンというホルモンは腎臓が悪化すると逆に分泌量が多くなり、これが高血圧を起こす原因となります。


高血圧の患者の中のおよそ30%の人に腎障害がある可能性があるのです。腎臓が元から悪くなかった人でも高血圧になりその状態が長く続くと糸球体の動脈に動脈硬化が起こり、濾過機能が低下してしまい悪循環となるのです。高齢になれば腎臓の機能は低下する傾向があるのですが、それに加えて高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームなどの症状がある人は特に注意して予防に努める必要があります。