最大の電力消費地でありながら、原発建設を禁止している我が街東京。

果たして、我々の生活において、今後東京電力の原発が必要なのか否か(東京都は東京電力の大株主)都民の意見を集約してほしいという願いを込めて、住民投票法の制定を求めた署名活動が行われました。

今まで署名活動や政治活動に全く関わった事のなかった一般人が一生懸命に考えて行動を起こし、結果法定数に達したため、5日に東京都議会において、審議開始となったわけです。

この住民請求に対しては都知事が意見書を添付し、答弁をするのですが、その全文をここでご紹介しておきます。

<原子力発電所の稼動に関する都民投票>

直接請求によって、本定例会に提案している「東京電力管内の原子力発電所の稼動に関する東京都民投票条例案」について申し上げます。

エネルギーは、国家を支える重要な基盤の一つであります。産業経済は、エネルギーを消費して新しい富を生み出し、
それが医療、福祉、教育、防災、治安などにまわり、高度に発達した社会を支えているのです。今、政府が為すべきは、現実的な期間を想定して、その間、我々がどの程度の経済成長を目指し、そのために、いかなるエネルギーを、どれだけ確保していくのか、大きなシミュレーションを行うことです。そして、その結果を国民にも示し、センチメントではなく理性的な討議の下で、政治が責任ある決断を下さなければなりません。

原子力発電所の稼動の是非は、国家の安危を左右する問題であります。政府が安全性はもちろん、経済性、産業政策、温暖化対策、安全保障などを複合的に考慮した上で、専門的な知見も十分に踏まえて、冷静に判断すべき事柄であると思います。

直接民主制が、間接民主制を補完する重要な手段であることは論を俟ちませんが、ただ観念的に原発の是非のみを問い、その結果が御旗が如く力を持つならば、国を滅ぼす危険なことにもなりかねません。

本条例案には《絶対に》反対であります。都議会の皆様には、賢明な判断をいただくようお願いいたします。

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《絶対に》の部分は、原稿にはありますが、実際には読まれませんでした。傍聴が多くて(180名以上の傍聴者。ほぼ満席)知事も弱気になったのでしょうか。某都議の話では、都議会のヤジは下品でひどいが、傍聴が多いとヤジが飛ばなくなるそうです。今日も少しはヤジがありましたが、いつもに比べると本当に少なかったとのこと。
多くの主権者の目が、議員や知事に大きなプレッシャーをかけることが解りますね。

石原都知事の発言をどう受け取りましたか?都民は集団ヒステリー状態にあるとでも言いたいのでしょうか?
みなさま各々を思うことがあると思います。

住民投票法の条例案には、3ヶ月程度の期間、各地で細部に至る情報開示の上、有権者の勉強会を開催し、推進派と反対派の意見をニュートラルに聴き、各々の感性で冷静に判断するよう提案しています。また、有権者は今回に限り16歳以上を提案しています。

その方が現状のマスコミの偏った報道に揺さぶられ歪められた世論調査の結果よりも、民意を反映した結果が得られると思われるからです。

住民投票の結果はあくまでも政治家や行政官にとって参考意見であって、最終的には彼らが決議しなければ、何も動かないことはこれまで通りです。

にも関わらず、「絶対に反対」というのは、「聞く耳持たず」という意味なのでしょうか?

先行した大阪市においても、橋下市長と市議会は、同様の理由で住民投票を却下しました。

自公が牛耳る大阪市議会とは異なり都議会は民主党が最大勢力です。何故ならば、政権交代の総選挙の前哨戦として前回の都議会議員選挙がなされたので、追い風に乗って民主党が大勝したからです。

その民主党都議連は、修正条件付きで原発都民投票に賛成する方向で調整が進んでいると耳にしています。

裁判でも同様ですが、傍聴席が満席だと、議員も役人も一生懸命にいいとこ見せようと頑張るみたいです。

東京都民のみなさん、是非ともこの機会に自分たちの代理人たる都議達の仕事ぶりを見に行こうじゃありませんか?