本日、有楽町イトシア前でTPPに反対する国会議員、大学の教員、市民団体の代表者など沢山の方が演説をして下さいました。

中野剛志(現役経産官僚で京大に出向中。准教授)は、とてもウィットに富んだ講義をしてくれました。

不平等条約を血のにじむような努力によって改定し、ようやく関税自由権を獲得した年から100周年にあたる2011年に、自らそれを全面放棄することを許したら、後世に禍根を残す。まさにその通りだと思いました。

第2次世界大戦に突入することをマスコミがあおり、政権与党がゴリ押ししていた当時、敢然とそれに異を唱えた政治家がいたそうです。その人の当時の演説を聞いて、全く現代と変わらないという事に愕然としました。反開戦を反TPPと言い変えたら、そのまま通用してしまう内容でした。

アメリカ議会の議事録や、政府資料、そして既に進行しているオーストラリアやニュージーランドなどとの協議の内容を伝えてくれた議員もいました。

第一次産業が大打撃を受けることは推進者も認めるところ。つまり、震災復興をめざす東北地方は切り捨てるという事。震災復興予算の審議をしながら、地場産業を叩きつぶす条約を結ぶという矛盾した動きは尋常ではありません。

第2次産業が伸びるように言われてますが、既に関税率が低く、メリットはない。しかもアメリカの真の狙いは知的財産権の拡大解釈。つまり基礎研究の大半のパテントを保有していることから、応用技術中心の日本メーカーに対して、これまで以上に知的財産権の使用料を請求して、不労所得をむさぼろうとしているという企みが具体的にアメリカの文書になっているそうです。

では、最も多い、第3次産業はどうなのでしょうか?ソフトウェア業界はもろに知的財産権使用料のターゲットになりそうです。特にゲーム産業あたりが狙われるでしょう。

脆弱な銀行、生保、損保などは一網打尽であることは言うまでもありません。健保の崩壊、共済の崩壊は、ターゲットとして具体的にアメリカの文書にのっているそうです。ゆうちょ、簡保の資金も狙われています。

マスコミも、小売業も、不動産業も、建設業も、ビジネスのルールを全てアメリカが作るのですから、日本企業に勝ち目があるとは思えません。

知れば知るほど、何一つとしてメリットなどなく、アメリカの御機嫌伺い以外の何物でもないことは明らかです。

食品の安全、環境保護など、地道に努力を積み上げてきた人にとっても、TPPにはいってしまったら、全て白紙に戻ってしまうと言っても過言ではないようです。

何せISD条項というのがあって、アメリカルールと違う日本独自のローカルルール(法規制、業界ルールなど)によって、アメリカ企業の営業活動が邪魔されたとなったら、すべからくアメリカ企業から日本政府が損害賠償請求されてしまいます。

この判定をする国際機関が設けられていますが、ここは、白黒をつけるところではなく、損害賠償額が妥当かどうかを判定するだけ。しかも負けた政府は異議申し立てさえできない仕組みが構想されています。

そんな無茶苦茶な事あるわけないでしょ、いくらなんでも!

って思ってましたが、倒産寸前のアメリカは今やなりふり構わずのようです。

「自分達の国の事は自分達で決める」これが民主主義であり、あるべき国の姿です。

ただでさえ、日米構造協議で基本政策を押し付けられているのに、恒久的にアメリカルールに従った国の仕組みを受け入れることを認めるような契約を結ぶことは、絶対に認められません。

明日、超党派で反TPPを訴える国会議員が集まります。反TPPを党議決定した自民党、一部の公明党、民社党、共産党、国民新党、新党日本、そして民主党の慎重派(原口さんが今日演説に来ていました)。みんなの党はTPP推進。でも河田龍平だけが昨日、反TPPを公言しました。

地方議会の95%は反TPPを既に決議しています。

国会議員の過半数が反TPPとなるよう、地元議員に働きかけていきましょう。それでも、野田総理がゴリ押しするようであれば、内閣不信任決議しかないでしょう。

TPPを考えるという事は、戦後対米従属一辺倒でずっと無責任にやってきた日本人が、初めてアメリカ依存から卒業して、自立する道を歩む大きなきっかけとしていきましょう。