朝日がきらきらした時間帯。公園に設置された器具でけんすいしていると、
銭が落ちていることに気づいた。
足下に10円、少し離れたところに1円。
昨夜の雨で浅く粗い砂に埋もれていた。
けんすいが限界になったので、拾って、水道で洗った。
水滴を軽くハンカチで拭き取り右手に握った。
町中に小さな境内?があったのでそこの賽銭にと
もっていった。
右手の小銭が木の箱に入っていった。目の前の紐を振り、でっかい鈴をならした。
ふと、右側に老人がいることに気づく。と同時に、
老人が境内?の外側で何をしているか瞬時に認識する。
立ちションだ。
勢いは無い。
なんともまぁしょうも無いものを見つけてしまったと思いながら「おやおや…」と言うと。
老人はこちらが気づいたことに気づいて、
「あ、あああ……」と言いながら笑ってごまかした。
その笑顔がなんともすてきだった。
そっちの方は、勢いは無いが止まりもしないようすだった。
笑ってしまった。
手を合わせ、目を閉じる。と、一瞬前の映像が浮かび上がって仕方なかった。
特になにも思わずさっさと境内?を去った。ささっと。
おじいちゃん。お元気で。