今日はこんな記事から
日本自律神経学会
「第4回 日本自律神経学会賞(優秀論文賞)基礎部門 受賞者の声
金井千恵子(東京都老人総合研究所 自律神経部門)
第60回日本自律神経学会総会において「ラット卵巣細動脈の観察とそのノルアドレナリンに対する反応」が学会賞を受賞いたしました。このような栄誉ある賞を頂き、著者一同(金井千恵子、花田智子、内田さえ、堀田晴美、會川義寛)大変光栄で身の引きしまる思いでおります。本論文は、排卵や女性ホルモン分泌を担う卵巣に多数の微小血管網が存在すること、卵巣の細動脈径と血流が交感神経系の伝達物質ノルアドレナリンにより調節されることを明らかにしました。卵胞に多くの微小血管網が存在することで卵が養われ守られているのだろうと感激いたします。その血管がノルアドレナリンにより著しく細くなることは、卵巣機能にも悪影響を及ぼしていることが予想されます。
月経障害や排卵機能障害などに悩む女性も多いといわれますが、私どもは今後ともストレスや閉経時の卵巣機能低下に自律神経がどのように関わるか、明らかにしていきたいと考えております。
(受賞対象となった論文は、自律神経第43巻5号410頁掲載の「ノルアドレナリンに対するラット卵巣細動脈径と卵巣血流の反応」です。)
→さて、人間のからだは一つのことが解れば全て解明されたということはないと思います。しかしこの記事も参考になるのではないでしょうか。
卵巣の血流に副腎髄質からでるストレスホルモンが悪影響を与えている可能性があるということですね。
身体そのものが「こころ」を持っていると仮定してみると、そこに優しさや、ある種の寛容さがあるがゆえに、いかなる不適応な物質をも変形させ、適応していく可能性があり、それゆえ逆に複雑すぎて解明できないことが多いことが解ります。
臓器移植が成功するのも、部品を交換すると本来悲鳴を上げる身体ですら、どこかで折り合いをみつけることによるのでしょう。
身体を機械的に説明したデカルト主義の延長線上に思考があれば、鍼灸による治療効果は理解できるものではないし、出来たとしても自律神経のみに作用すると理解されることもあるでしょう。私自身はそれは否定も、肯定もできません。
それは「気」といういまだ知られていない、信じられていないものの価値を信じているからです。経絡という数千年におよぶ研究の成果からみえてきた体の内外を走る気の流れるルートをつかみ異常な気の変動のある場所を特定し(それを生きたツボと鍼灸界では呼びます)鍼を当てていく。不思議なことは毎日起こっています。一番分かるのは患者さまでしょうし、もちろん治療しているものも分かります。
すぐれた実績を残した先哲が理論化し、長い歴史の中で検証してきたものですから、これは人生経験豊かな老人から直接教えを受けるようなものです。
しかし、「気」をきちんと証明できるのかといわれれば、今は「できません」というしかありません。
頭脳明晰な幼少期から努力し医学部に入学し、研修を長年なさっているお医者様達とは頭の良さでは劣勢と言わざる負えないです。
わたしは医師と落語家は似ていると思っています。
前座から真打になるまで苦労を重ねて本物になっていく。芸を磨く世界です。芸が荒れないように師匠について古典と新作を学んでいく。それは本当にシステマティックな世界に思えます。
翻って鍼灸は、代替療法の中ではまだ落語に近いですが、学校教育の期間が3年と短く教育は西洋医学的なものを中心としており、コメディカルとしても十分でないばかりか、東洋医学を継承する力量が備わるとは思えません。
若手の芸人のようです。
もしくは人気と実力が相関していないプロ野球選手のようなものです。
しかし情熱のある鍼灸の先生たちはたくさんいます。
それは卒後の各自の努力と恵まれた才能によるのでしょう。
わたしはそういう鍼灸の先生は一流スポーツ選手と似ていると思います。
自分自身の心と体の関係を理解しており、パフォーマンスを上げるためにメンタルを重視し、技とともに心を鍛えていくようです。イチローやタイガーウッズのようなひと達です。彼らでさえ時として成績を上げられない。そこをメンタルの問題と技術の両輪がうまく回っていないと考え、修練していくのが東西問わず人間としてプロ根性を持っている人なんでしょう。画一的でない名人といわれるのはそういう人たちでしょう。
医学の話にもどります。
再現できないものや、画一化されないものは医学として適切ではないと決めたのは誰でいつからなのかご存知でしょうか?それは明治16年の帝国議会での法律の制定からなのです。
時代は富国強兵政策の時代。西洋の列強諸国とは軍事力で決定的な差がありました。政治力でなんとか均衡を保っていたにせよ、いつ戦争を仕掛けられ中国や東南アジア諸国が植民地になったように、日本も植民地化されるかわからない状況だったわけです。
そこで軍人医学として、負傷した兵士の治療や、伝染病の予防には西洋医学のほうが優位性が高く、軍配があがります。
東洋医学では傷を手っ取り早く治すことはできません。
そこで西洋医学のカリキュラムを修得した者だけが医師免許をとることができるようになりました。
そうなると、漢方を勉強したところで免許がもらえなくなるので、若い医学生が勉強するはずがありません。
このことがあって以来、日本の東洋・漢方医学は衰退していきます。
さて、現在時代は平和になりました。
世界中では戦争をしている国はたくさんあれども、日本は幸せにも戦争に参加しなくていいことになっています。
そういう場所では病気はどういう風になっていくのでしょう。
慢性疾患・精神疾患に注目が集まるのは当然の流れでしょう。
西洋医学は軍人医学として発達してきた故、急性期の疾患に対応ができるように世界中の超優秀な御医者様や研究者様によって研究尽くされてきました。
慢性疾患・精神疾患に対しては、いまだ東洋医学・漢方医学のほうが優位性をもっていると思います。それは古代中国でも比較的平和な時代に研究し尽くされてきた医学であり、日本では江戸時代という飽食の時代に華を咲かせた医学であるからです。病気と時代背景は相関するのです。
例えば内因七情といってこころの動きを次のように表現します。
怒り
喜び
憂い(うれい)
悲しみ
思い
恐れ
驚き
この7つのバランスがとれていれば健康といっています
その他に素因と外因などがあり病気になる仕組みを理解していきます。
最近、注目されているがんの抗体療法、免疫療法などは「こころと体」の相関関係を再発見した治療法と言えるのでしょう。

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