こんなにも亡くなった人に会いたいと思ったことはありません。初盆を迎える母に。
今年4月21日に旅立った母。88歳の生涯でした。亡くなるまでひとつの病気を持っている以外は丈夫で、最後は肺炎で亡くなりました。亡くなった後、棺の中には好きだったお菓子や1960年代の洋裁の本などを入れました。今頃は、お菓子を頬張りながらミシンをかけているでしょうか。
小学生の時に井上陽水の『氷の世界』のアルバムを聴きました。1973年の発売。私が聴いたのは、その2年後くらいです。そのアルバムの中に「人生が二度あれば」という曲があります。陽水氏自身の父母のことを歌っています。その歌の中にこんな歌詞があります。
母は今年9月で64
子どもだけのために年とった
母の細い手 漬物石を持ち上げている
そんな母を見てると人生が
誰のためにあるのかわからない
子どもを育て 家族の為に 年老いた母
人生が二度あれば この人生が二度あれば
・・・・
井上陽水「人生が二度あれば」より抜粋
曲中では、陽水氏は感極まって泣いています。小学生ながら私ももらい泣き。その頃に、親のありがたさ、切なさを少し思いました。親というのは悲しい。
母とはよくケンカをしました。とにかく母は、厳しかった。やることをやっていないと怒られました。自分の趣味に時間を使うよりも、兄・私・妹のために何かをすることに一生懸命でした。今日は、我が家のなんちゃって仏壇に父と母に感謝と労いの言葉をかけてあげよう。
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2014年に行われたビートルズのトリビュート・ライブ。トリを飾るのが、エド・シーラン。ギター一本で「イン・マイ・ライフ」を歌っています。会場には、ポールやリンゴ、オノ・ヨーコの姿が見えます。こんな場所にいたかった。ビブラートのかかったエドの声が魅力です。
Ed Sheeran
In My Life (Tribute to The Beatles,2014)/ Ed Sheeran
イン・マイ・ライフ/エド・シーラン
エド・シーラン(1991年~)は、イギリスのシンガーソングライター。2011年にデビューし、2014年のアルバム『X』がプラチナ・ディスクになる。2017年のシングル「シェイプ・オブ・ユー」の大ヒットで不動のスターの座に。大英帝国勲章も受ける。この楽曲は、ご存知ビートルズの楽曲でアルバム『ラバー・ソウル』(1965年)に収録。
(歌詞)
There are places I remember
All my life though some have changed
Some forever not for better
Some have gone and some remain
・・・・
想い出の場所がある
自分の人生の中でいくつかは変わったけれど
良くも悪くもかわらない場所
なくなった場所やまだ残っている場所
・・・
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親孝行したいと思ったときには親はいない・・・よく聞く言葉でしたが、まさにそうです。親のために何かを買ってあげることも、ご馳走してあげることもまた、優しく接してあげることもできません。
子どものいない私は、時々思います。この先の未来には、自分の遺伝子を持つ子孫がいない。代々続いていた子孫がいないということは、私には一体何の役目があるのだろうか、と。突き詰めると、自分が親に感謝して親が生んでよかったと思えるように生きるしかないと思います。
これというはっきりした生き方を分かっているとは思いませんが、何かに感謝しながら生きるしかないような気がします。
「希望」命をつなぐ綿毛
月曜日
今週も
心のネジをギコギコ
今日もお読みくださりありがとうございます。