とてもお久しぶりのような気がします。旅に出ておりました。留守中に訪れてくださった方、いいねをくださった方、ありがとうございました。
旅の間にふたりだけで結婚式を挙げて来ました。
ふたりだけの結婚式
20年目の結婚式。もう結婚式を挙げることなんてないと思っていました。あの日以来そう思っていました・・・。
京都にて 2022.5.10
今から20年前の2002年秋。17年間友だちだった人と結婚式を挙げる予定でした。式は大学のチャペルで、パーティーは青山のジャズ・クラブで。ふたりの手作りの式とパーティーになるように準備するのが楽しくて。
残暑も残る秋、私は病気になってしまいました。結婚式の直前に。必然的に式もパーティーも中止。楽しみにしていた結婚式。人生の一大イベントだと思っていた結婚式。少しずつ築き上げたものが崩れ、後に残ったのは空虚感のみ。病院のベッドの中、私はすっかりバーンアウトしてしまいました。
まだ車を持っていなかった時代、夫となった人は毎日自転車で50分かけて病院までお見舞いに来てくれました。お土産は、決まったお店のクッキーとコーヒー、時々カットフルーツ。
2002年の冬、私はぶじに退院し、小さなテラスハウスで友だちから夫となった人と二羽の小鳥たちとの暖かな生活が始まったのです。
******
漫画家の柴門ふみさんがエッセイで書いていました。「ネクタイにスーツ姿の男性が一番セクシーだ」と。これを読んだ時、なるほどと私は納得しました。
今回、ふたりだけの結婚式にふさわしい曲は何かと考えたとき、肩の力の抜けたセルソ・フォンセカの「縁は異なもの」を選びました。セルソ・フォンセカのスーツ姿がいいです。
この曲調のように大嵐でもゆらゆらと浮いていられる小船のようなふたりでありたいと思います。
Celso Fonseca
What a difference a day made/Celso Fonseca
縁は異なもの/セルソ・フォンセカ
セルソ・フォンセカ(1956年~)は、ブラジル出身のギタリスト、ヴォーカリスト。プロデューサーとしても活躍。ジルベルト・ジル、ミルトン・ナシメント、マルコス・ヴァーリなどとも共演。この楽曲は、1930年代にキューバで作られその後、多くのミュージシャンにより演奏、歌われている。
(歌詞)
What a difference a day made,
twenty four little hours
Brought the sun and the flowers
where there use to be rain
一日が過ぎたらすっかり変わっていた
たった24時間のあいだに
太陽は光り輝き、花は咲き誇る
かつては雨が降っていたのに
My yesterday was blue dear
Today I’m a part of you dear
My lonely nights are through dear
Since you said you were mine
・・・・・
僕の昨日はゆううつだったよ
今日の僕はきみで満たされている
ひとりぼっちの夜はもう訪れない
「あなたは私のもの」ときみが言ってくれたから
・・・・・
******
帯締めがキラリ
ふたりだけの結婚式は、京都の神社で挙げました。それは、正式には「結婚奉告祭」と言って30分ほどで終わる簡素なものです。
そもそもの思いつきは、ブログ友だちの影響で始めた「ヘアドネーション」。31センチ以上の髪の毛を寄付するものです。髪の毛をこんなに伸ばしたのは、人生初。そこで、思いついたことが、「せっかくなので地毛で日本髪を結いたいな」と。日本髪=着物。それが京都での結婚奉告祭へとつながったのです。
ヘアーのセット、着物のレンタル、神社の決定、カメラマンの選定などすべてネットで調べ電話して打ち合わせ。楽しい作業でした。当日、式の途中は撮影不可なので写真がありませんが、その後カメラマンに思い出の写真を撮ってもらいました。
五月晴れ・先勝
20年目に結婚奉告祭を終えて、新たな気持ちになったかどうかはわかりません。この20年間、大ケンカもあり離婚話になったこともあります。これからだって、離婚しない保障はありません。そして、いつどちらかが天国へ行ってしまうかもしれません。
神社の隣のお団子屋さんへ
私たちには子どもがいないので、どちらかが亡くなったら独りです。そうなった時のことをたまに考えます。やはり、精神的にも夫に頼っているところがありますので、独りの生活は寂しいだろうと思います。これからの暮らし方を敢えて言うならば、ふたりでも独りでもしっかり自立して暮らしていけることが、小さな望みです。
ふたりの門出へ向かって
月曜日
今週も
こころのネジをギコギコ
今日もお読みくださりありがとうございました。