「安い席の人は拍手を。高い席の人は宝石をジャラジャラ鳴らしてください」

 

 

これは、ジョン・レノンがビートルズのコンサートで言ったウイットに富んだ言葉。階層階級の意識が伺えるイギリス人らしい発言です。

 

 

今回、なぜこの言葉を引用したかと申しますと、紀元後79年に火山の噴火で埋もれた数々の秘宝を展示している『ポンペイ展』を観に行き思い出したのです。

 

 

国王と奴隷――身分の差が大きかったローマ帝国時代とその秘宝に思いを馳せて。

 

 

 

美術展に行く前にちょうどBSで映画『ポンペイ』をやっていたので観ました。監督は『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン。ローマ人に一族を滅ぼされたケルト人の生き残りである主人公とポンペイの有力者の娘との身分を越えた愛が主流の物語。身分制度が当たり前の時代のアクション大作となっていました。これで予習もバッチリ。

 

 

 

 

 

東京国立博物館の外壁ポスター

 

 

上野の東京国立博物館で開かれている『ポンペイ展』は、火山の噴火で灰に埋もれてしまった150点もの発掘された名品を展示。大理石で作られた彫刻、カメオとガラスの器、フレスコ画などを通し古代ローマ都市をうかがい知ることができます。

 

 

 

先ずは、沐浴しようとしている美の女神・ウェヌス。金の細工が綺麗です。今でも豪邸の庭の噴水にありそうですね。

 

ビキニのウェヌス

 

 

 

 

次は、カメオとガラスで作られた容器。今回の展示品の中でこれが一番好きでした。完全な形のまま現存するカメオガラスはとても貴重だそうです。写真では分かりづらいですが、青色がとても美しいです。

 

 

 

ブドウ摘みを表した小アンフォラ(通称「青の壺」)

 

 

 

 

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ここでちょっと休憩。今回の『ポンペイ展』に合う音楽を何にしようかと考えて、音楽ノートをパラパラ。クラシック?ジャズ?どうしよう?・・・。そして、いろいろ考えた末、イタリアのバンドPFMに決定。PFMを知っている人は多くはいないと思いますが、この曲はプログレッシブ・ロックの名曲だと私は思っています。

 

 

こんな機会でもなければ、ご紹介することはなかったはず。プログレらしくメロディーはクラシック音楽に似ていますが、しっかりロックしています。哀愁漂うダイナミックな展開も楽しめる曲です。邦題もいいですね。

 

 

PFM

 

 

 

Appena Un Po/PFM

ほんの少しだけ(人生は川のようなもの)/PFM(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ)

 

 

 

 

PFMは、イタリアを代表するプログレ・バンド。この楽曲は2ndアルバム『Per Un Amico』(1972年)に収録。翌年73年、イギリスのデビュー版『Photos Of Ghosts』にも収録されており、キング・クリムゾンのピート・シンフィールドが英詞含め参加。

 

(歌詞)

Via di qua, via di qua

Come un re, via di qua

Subito come vorrei

 

Partier, correrei

Verso un’altra verita

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では、美術展の後半に行ってみましょう。

 

1世紀初頭に作られた大理石の彫刻。迫力があります。こんな状態で見つかったってほんとですか?!

 

 

エウマキア像

 

 

 

ヴィーナスに圧倒されながら次は、果物のフレスコ画。50~79年頃の作品だそうです。

 

 

果物のある静物

 

 

 

最後は、モザイク画の一枚。描かれているのは、哲学者。プラトンの弟子たちともいわれているそうな・・・。そんな前の時代!紀元前1世紀頃の作品。日本は弥生時代ですよ!日本人、皆せっせと稲刈ってました・・・。

 

 

哲学者たち(モザイク)

 

 

 

以上です。お付き合いくださりありがとうございます。

ご紹介したのは、カメラに収めた作品群の中から選んでみました。これらは、18世紀から現在まで発掘が続けられています。長期にわたる作業ですね。スペインのSagrada Familiaもまっ青です。展覧会は、4月3日(日)までです。

 

 

月曜日

今週も

心のネジをギコギコラブレター

 

今日もお読みくださりありがとうございました。