「右腕は家に忘れてきちゃった」
TVを見ていて思わず笑みがこぼれました。
東京パラリンピックに出場する海外選手が、成田でインタビューを受けていました。彼は、右腕がありません。インタビュアーが右腕に関する質問をしたのでしょうか。体が不自由な方で、彼のように底抜けに明るい人がいると、こちらまで救われた気持ちになります。
また、私が読んだ本の話で恐縮ですがご紹介させてください。
『考える障害者』(新潮社)。著者は、ホーキング青山さんです。
ホーキング青山さんの職業は、「車イス芸人」。障がいを持っている人がお笑い? ちょっと不思議で惹かれるテーマ。彼は、1973年に東京都で生まれました。先天性多発性拘縮小のため、生まれたときから両手両足は使えません。身体障がい者のお笑い芸人として、電動車イスに乗って27年の活躍。そんな彼は、今までタブーとされていた世間から見た障がい者、偽善や哀れみを感じながらも障がい者としての気持ちを赤裸々に語っています。
本の内容は、「タブー」を考える、「社会進出」を考える、「やまゆり園事件」を考える、「本音」を考えるなど全7章。これらを重く語るのではなく、分かりやすい文章で綴られています。
彼は、自分がやっていることは、「啓蒙活動」ではなく「お笑い」だと書いています。実際、YouTubeで見てみました。コロナワクチンについての話題を流暢にしゃべる姿は、まさにプロであり、漫才師、落語家でした。
ヘレン・ケラーの「障害は不便である。しかし、不幸ではない」は、彼の著書にあった言葉です。
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今日の曲は、こころがほっこり、ほんわかする歌です。カレン・カーペンターの包まれるような声は、カラカラに乾いたオアシス(給水スポンジ)にお水を注ぐような感じですね。
Carpenters
Sing / Carpenters
シング/カーペンターズ
カーペンターズ(1969~1983年)は、アメリカ出身のリチャードとカレンの兄弟デュオ。ヒットチャートの常連で、日本でも時代を超えて愛されているデュオだ。カレンの拒食症の合併症による死は、衝撃的であった。この楽曲は、1973年にアメリカのTV番組『セサミストリート』挿入歌としてリリースされた。
(歌詞)
Sing, sing a song
Sing out loud
Sing out strong
Sing of good things not bad
Sing of happy not sad
歌いましょう 歌を歌いましょう
大きな声で歌い上げましょう
力強い声で歌い上げましょう
良いことを歌いましょう 悪いことじゃなくてね
楽しいことを歌いましょう 悲しいことじゃなくてね
Sing, sing a song
Make it simple to last
Your whole life long
Don’t worry that it’s not
Good enough for anyone
For anyone else to hear
Just sing, sing a song
・・・・
歌いましょう 歌を歌いましょう
簡単でいいのよ
歌を一生続けられるように
心配しないで
他のみんなに聞かせるほど上手くなくていいのよ
ただ歌いましょう 歌を歌いましょう
・・・
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東京パラリンピックもあと残り2日。今回の東京開催はとても意義のある開催だったと思います。今まで見ることのできなかった多くの競技を目の当たりにし、私の気持ちは徐々に変わっていきました。
正直、始めは少し痛々しく感じていました。しかし、毎日、パラアスリートのスポーツを見るうちに、コンタクトレンズが落ちるように私の目から、「殻」が落ちていったのです。一生懸命がんばっている彼ら彼女らが大好きになりました。次回のパリが待ちきれないくらいです。
コキアももうすぐ赤色に。秋はそこまで来ている。
今回の大会で印象に残ったのは、パラアスリート・400メートル走(知的障害)外山愛美さん。彼女は、右手の甲にこう書いて決勝に臨みました。
「人生は変えられる」
「責任と自立」
素晴らしいですね。彼女がこれまで苦しい練習を耐えてこられたのは、女性コーチのハグがあったからだそうです。こころが温かくなるお話です。
【Postscript】
*障がいについて書いた過去記事です。
今日もお読みくださりありがとうございました。