約1年ぶりとなる

ツクシくんシリーズなので、

軽く時系列の解説を(笑)

 

 

高1の12月に仮入部、

→1月に本入部し、

今回の段階で2年生の9月下旬

…という設定です。

 

ちなみに新人戦は10月半ば。

それまでの間、部活とは関係ない話が

数話にわたり続くと思いますが(^▽^;)

タイトルの一部にある

ツクシくんの『青春』には

該当すると思うので、

開き直って書き連ねて参ります(笑)

 

 

 

 

 

 

 

それでは本題へ。

 

セミの鳴き声に歌詞をつけた事から

誕生したキャラ・ツクシくん(筑紫晴)

がメインのお話です♪

 

 

ツクシくん世代の妄想リンク集はコチラ♪

 

 

 

 

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クマくんとモリシタくんの

サキちゃんをめぐる抗争に巻き込まれ、

剣道部に体験入部するシリーズ

「ドキドキ!?ツクシくんの体験入部」

 

 

を経て、

なんと本入部しました(゚∀゚)

このシリーズでは、

そんなツクシくんの青春物語を

綴って参ります^^

 

(☆第1話第2話第3話

第4話第5話第6話

第7話第8話第9話

第10話第11話第12話

第13話第14話第15話

第16話第17話第18話

第19話第20話第21話

第22話はコチラ)

 

 

 

 

 

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******************

 

 

オリキャラ妄想

「青春!ツクシくんの部活動」 第23話

 

 

 

 

体育大会が終わると同時に、

2年生は修学旅行の準備が本格化。

 

 

その日は午後に学年集会の

時間が設けられ、体育館に集まった。

舞台の上には二つの長机が置かれ、

校長先生と修学旅行実行委員長

・モリシタくんの2人が

向かい合う形で座っている。

 

「いまから、学年集会を始めます。

――――姿勢を正してください。」

司会のサキちゃんの一声で

座ったまま姿勢を正し、一礼する。

 

「始めの言葉。」

「はい!!!」

サキちゃんの言葉を聞いて、

クマくんが立ち上がり、

舞台下の演台に立った。

 

「僕たち修学旅行実行委員会は、

『通信機器の携帯禁止』

という規則を変えるため、

各クラスで話し合い、署名を集めました。

きょうは校長先生に署名を渡し、

僕たち2年生の声を伝えます」

 

 

 

この日の学年集会では、

修学旅行の規則のひとつ

『通信機器の携帯禁止』変更するため

生徒と校長先生の話し合いが行われる。

この規則について、各クラスから

かなり不満の声が上がったらしく

学級代表と副代表で組織される

実行委員会が中心となり

改定に向けて動いてきた。

 

といっても実際には、

夏休み前には先生と会議をして

その時点で既に変更の依頼は

受理されていて、

今回の公開会議は2年生全員に

報告するための形式的なものらしい。

そんなのプリントで知らせれば

いいような気がするけど、

おかげで授業がひとつなくなって

ラッキーだと思っている。

 

(始めの言葉が終わったから、

モリシタくんの話が始まるな)

この日の進行について書かれた

プリントに、目を通していると。

 

 

 

「――――だが始める前に。

ひと言言わせて欲しい。」

「!?」

「確かに俺たち実行委員は、

みんなの希望を実現するために

何度も集まって話し合い、

規則改定の目標を達成した。

だが俺たちだけの力じゃ、

改革を起こす事は出来なかっただろう」

簡単な説明を終えて

あとは立ち去るだけであるはずの

クマくんが、なんかいきなり

ため口で話し始めた。


「この手柄は、舞台の上にいる、

すました顔した委員長のモンじゃない。

2年生のみんなのおかげで、

この日を迎えられたんだ!

これからもみんなで力をあわせて、

最高の学年にしていこうぜ!

――――ありがとう!!!!!」

 

 

 

(……ああいうお礼って。

委員長が集会の締め括りとして

言うものじゃないのかな。

プリントにも『委員長の言葉』って

書いてあるし…)

疑問に思っているのは

僕だけじゃないのかもしれない。

クマくんの最後の言葉が

体育館内にこだまするなか、

周りの生徒たちは

無言で顔を見合わせているが……。

 

 

「それでは、会議を始めます。

委員長のモリシタくん、お願いします」

「はい。」

司会のサキちゃんがいつも通りの真顔で

何事もなかったかのように

淡々と進めるから、戸惑いから一転、

吹き出すのを必死で堪え始めた。

 

 

 

 

 

その日の部活動終了後。

柔道部は剣道部よりも2週間早く

新人戦が開催されるため、

クマくんマツチヨくんは

居残り練習をすると言っていた。

 

部室から出てひとり正門に向かう途中、

正門前で立っているミキちゃんを発見。

「ツクシお疲れー」

「ミキちゃんも。お疲れ様。

…きょうはサキちゃんと帰るんだっけ?」

「ええ。きょうはあの子、

居残りしないって言ってたから」

 

サキちゃんを待つ間

立ち話をしていると、話題は

この日の学年集会の事に。

「……始めの言葉のアレ。

大熊の暴走でしょ」

「僕も、そんな気がする。」

「あの時点ではカタチ上、まだ改定が

決まっていない体で進行してたもの。

なのにあの台詞はオカシイし。

…アイツ本当は、自分が委員長に

なりたかったんじゃないかしら?」

「どうなんだろう。クマくんは、

思いつきで行動するからなあ…」

 

そうお茶を濁したものの、

僕もミキちゃんの意見に同感だ。

きっと発足時は委員長を

やる気満々だっただろうし、

実際にモリシタくんの事を

いいとこ取りするとこぼしていたから、

どこかで一矢報いたいと

思っていたとしても、おかしくはない。

 

(逆にモリシタくんは、

もう眼中になさそうだな)

あれから校長先生に受理されたあと、

委員長から皆に向けて話す時間が

あったけど。

「どうも。すました顔した委員長です」

と笑いを誘ったあと、

意見を出す事の大切さを、

クマくんも意見を沢山出してくれた

というエピソードを交えて語り。

あのすました顔発言も、

実行委員たちの打ち解けた関係性に

よるものだと印象づけたのだった。

クマくんに対する私怨が

残っているとすれば

そんな対応は出来ないはずだ。

 

 

「モリシタくんは…すごいな。

本当は考えて来たスピーチが

あったのかもしれないのに。

僕だったら何を話せばいいか

わからなくて、オロオロしそうだよ」

「まァ、アタシも、

その点だけは認めてやるわ。

アイツの事嫌いだけど」

「ミキちゃん…モリシタくんが嫌いなの?」

「ええ!大ッ嫌いよ!!!」

 

(ミキちゃんの『大嫌い』っていう

言葉は、サキちゃんの彼氏として

認めている証拠だ)

またはサキちゃんの事が大好きな

ミキちゃんの、モリシタくんに対する

ヤキモチの表れともいう。

 

そしてミキちゃんは

心底関わりたくない相手の事は、

無言で見限り離れていく。

きのうの代休日も、

それを実感したからなあ……。

 

 

 

 

 

体育大会の日は

剣道部のメンバーが泊まりに来たため

不満そうなミキちゃんには、

代休日に埋め合わせをすると約束し。

宣言通り、映画に出掛けてきた。

 

映画館は大きなショッピングモール

・『アエオンモール』の中にあり、

鑑賞後はフードコートで

遅めの昼ご飯を食べる事に。

 

「特進クラスは、

午前中授業があるんですって。

サキはいつも通りの時間に

出掛けて行ったわ」

「うわっ。大変だね……」

そう喋りながら

フードコートに向かう途中、

 

 

 

「あーっ!ミキ久し振りィ!」

「…百山ァ!?」

私立の女子高の制服を着た子が、

ミキちゃんに駆け寄る。

「百山…って。

もしかして体操部だった…」

「あれェ?

モモの事知ってるんですかァ?

もしかしてェー。

モモのファンだった子かな?」

ミキちゃんに尋ねたつもりだったのに、

クネクネしながら僕に近づいてくる。

 

「え、いや。僕東中出身で…」

「同級生のツクシよ。」

「あっ…ああ!ごめんなさァイ。

あのツクシくんが、こんなに

イケメンに成長してるだなんて

思ってなかったからァー」

 

 

(絶対、とってつけた嘘だな…)

自分の頭をコツンと叩いてみせる

様を、冷めた眼差しで眺める。

この百山さんは、東中時代

体操部の二大アイドルのひとりとして

名を馳せていた。

ファンだという男子は多かったけど、

女子の間ではウラの顔が酷過ぎるという

噂で持ち切りだった。

 

といっても、僕が直接噂を

打ち明けられたワケじゃなくて。

影が薄い僕の存在に気付かず

噂話をしているのが、そこかしこで

耳に飛び込んで来たんだけど…。

百山さんもきっと、

影が薄い僕の存在なんて

そもそも知らなかったに違いない。

 

「そーいえばミキ、

もう体操やってないの?」

「そうね。」

「勿体なァーい!

ミキだったらァ、高校でも

充分通用したのにィ。

ア!モモはいまも新体操やっててェ、

新人戦で2位になっちゃったよォ。

ミキの演技も見たかったなァー」

 

 

 

「誰のせいだと思ってンのよ。コイツ…」

「!」

隣に立つ僕にしか聞こえない

小さな声で、ミキちゃんが呟く。

もしかしてミキちゃんが

体操部のない中央高に入ったのは、

この人の事が関係してるのかも……。

 

「ねえねえ!せっかくの再会だしィ、

モモとお茶しようよォー。

そこのイケメンくんも一緒に…」

「わ、悪いけど!

僕たち、デート中だから!

…もう行こうよ。ミキちゃん」

「ええ…そうね」

百山さんの言葉を遮り、

ミキちゃんを屋外にある公園へ連れ出す。

 

 

 

 

「さっきはありがとう。ツクシ」

「ううん。僕も、百山さんから

離れたかったし……」

百山さんから離れても、

ミキちゃんの表情は曇ったままだった。

 

「ねえ…ミキちゃん。

もしかして本当は、

体操をやりたいの?」

「うーん…わかんない。

体操が嫌いでやめたワケじゃ

なかったから」

 

その後の説明によると、

ミキちゃんがいた体操部は

器械体操チームと新体操チームに分かれ

活動していたという。

だから器械体操チームのミキちゃんに

直接被害はなかったものの、

新体操チームでは百山さんによる

イジメによって退部したり、

不登校になる生徒も出たらしい。

 

ただ、チームが違うといっても

傍観していたワケじゃなくて。

このままじゃいけないと思った

ミキちゃんは、百山さんのイジメを

隠し撮りして、顧問に報告したという。

でも百山さんは何故かお咎めなしで、

その後ミキちゃんが

大人の男に貢がせる遊び人という

噂を広められ、男子からは

信じていたのに…とか

あのビッチが…等と

陰口を叩かれるようになってしまった。

その噂に乗じて、王子さんが

ミツキさんと買い物中の

ミキちゃんの姿を隠し撮りした事は、

同じクラスだった僕もよく覚えている。

 

それでもミキちゃんは

最後の大会までやり切ったけれど。

引退後、百山さんが顧問と

学校の外会っている所を目撃し。

百山さんを可愛がっている顧問により

証拠を揉み消された事に

気付いたのだという……。

 

 

「てっきり王子さんが

ミキちゃんの噂を広めた犯人だと

思ってたけど、百山さんだったんだね…。

サキちゃんには言ったの?」

「ううん。言ってない。

噂を喋ってたやつに鬼のような顔して

食ってかかるような子だから、

きっと真相を知ったら

百山の悪事を公にしようとするはず…。

それが理由で百山の矛先が

サキに向かうなんて、耐えらんないもの」

ミキちゃんは力なく、首を振った。

 

「百山じゃなくても、

東中の体操部は我の強い連中の

集まりだったからね。

もう面倒くさいのはこりごり」

「ダンス部は大丈夫?」

「まあ女子率高いから色々あるけど、

ぶつかりながらもそれなりに

団結してやってる。

ただねェ…。ダンスは楽しいけど、

器械体操ほどの情熱があるかと

聞かれたら、どうなんだろ?

よくわかんないのよね」

「ミキちゃん……」

 

(僕は今まで、何を見て来たのだろう)

2年もの間ミキちゃんと

付き合っているにもかかわらず、

燻らせている事に気付かなかった。

自分の部活の事に必死だったとはいえ

胸が痛む。

「あ。あのさミキちゃん。

困ったら…僕の事も頼ってよ」

自分の出来る事を求め、

言葉を絞り出す。

 

 

「確かに、僕は頼りないし

解決できるとは限らないけど…。

ミキちゃんの味方でいたいと思ってるし

僕に出来る事があれば――――」

「その言葉を待ってたわよ。ツクシ」

「え……?」

 

(なんだか、嫌な予感がするぞ)

そしてそういう予感は、

たいてい当たるものだという事を、

これまでの経験でよく知っていた。

バッグから紙を取り出し

ニヤリと微笑むミキちゃんを見て、

固唾を飲む。

 

 

 

 

「ねえツクシ!

今度の日曜日、このダンス教室に

行きましょうよ!」

「――――ダンス教室!?」

その紙には

『ジャズダンス体験教室

~基本ステップで楽しく踊ろう』

と書かれていた。

 

「アタシ、ダンス部ではヒップホップを

踊ってるんだけど、もっと器械体操の

経験を活かせるジャンルを

踊りたいと思ってたの!

そしたら体育大会のとき、

ウチの母親がPTAで仲良くなった

レナさんっていう人が、

ジャズダンスはどうかしら?って

勧めてくれたの!」

「楽しそうなのはいい事だけど。

ミキちゃんひとりで

行けばいいじゃないか…」

足さばきの練習で最近まで

足がもつれるレベルだった僕に

ダンスを踊る自信なんて全くない。

運動神経だけじゃなくて、

センスもいるだろうし……。

 

「何よアンタ!さっき僕に

出来る事なら~って言ってたじゃないの」

「そ。そうだけど……」

「だからいまこの瞬間、アンタを

頼りたいって言ってンじゃない。

お願いよ!」

「………。」

 

(ハメられた……)

ミキちゃんがわざわざ嘘をついたとは

思っていないけど、きっと体操部の件は

過去のものとして昇華しているに

違いない。

ただ少しだけ、大げさに

落ち込んでみせたんだろうな…。

 

 

「教室の生徒が友達とか誘って

わいわい参加する、

ゆるっとした内容なんですって!

この日限りの単発の講座だし、

勧誘はチラシ貰うくらいしかないって

レナさんも言ってたわ。

行きましょうよ!」

「まあ、1日限りなら……」

戸惑いながらも、

ミキちゃんの要求を呑んだのだった。

 

 

 

 

 

そしてその日の夜には、

ミキちゃんのお母さんを通して

3人分の予約を入れたという。

 

「え。……“3人”?」

「ごめんねツクシ!ウチの母も、

運動がしたいって言ってさァー」

 

(それなら、ますます

僕が行く必要がないような……)

そう言いたかったけど、

ミキちゃんが楽しみを見つけたのは

いい事だと思うし、今回だけは

付き合ってあげよう……。

 

 

 

「レナさん、アタシが応援合戦で

チアやってたのを見て、

ジャズダンスに向いてるって

褒めてくれたのよね!

レナさんは長年習ってるらしくて、

今度教室に行ったら演技を

見せてくれるって!

楽しみだわァ!!!」

「よ。よかったね……」

 

顔も知らないレナさんという人を、

心の中で少しだけ恨んだ。

 

 

 

 

******************

 

 

 

 

 

豹変女子・百山さんと

サキちゃんのエピソードはコチラ。

 

 

 

 

クマくんとの間にあったいざこざを

サキちゃんが言わなかったように、

ミキちゃんもまた、

サキちゃんを思うがゆえに

百山さんとの一件を打ち明けられず。

 

趣味とか全然違う黄藤姉妹ですが、

根っこはソックリなのかなあと

思っております(゚∀゚)

 

 

 

そんなミキちゃん。

以前クマくん視点の話の文中、

東中出身メンバーで

将来について話し合う場面を書いた際

ヘアメイクの専門学校に行くと

語っていたのですが、

色々なキャラの妄想を書くうちに

進路変更したいと考えるように。

 

 

以前はミキちゃんのキャラが立ち過ぎて

サキちゃんのキャラ性が見えなかった

当Blogですが、気づけばモリサキ萌えを

前面に押し出している状態(´▽`*)

 

なので、剣道部の新人戦まで

空白が出来ているツクシくんシリーズで

ミキちゃんのエピソードも

書く事にしました♪

 

 

 

ツクシくんは、今回も見事に

巻き込まれましたね~(笑)

 

気弱だからノーと言えない子かというと

そうでもなくて、百山さんから

ミキちゃんを離すため

キョドリながらもビシッ!と

お茶の誘いを断りますし。

そんなところが、イイ男だなあと^^

 

最後は顔も知らないという

“レナさん”を恨んだツクシくんですが、

いざ会ってみたらよく知る顔過ぎて

驚くかも?しれません( ̄▽ ̄)

 

 

 

それではお付き合いいただき、

ありがとうございました(^^)