ついに2012年8月8日に、島根あさひ社会復帰促進センターを出所することになりました。出所と言っても仮出所です。保護観察の監視下には置かれるのですが。思えば、短いようで長かったと記したいところですが、実際は、長いようで長かったとしか表現出来ません。このような初犯でラクな刑務所に来てても地獄と思ったのですから、一般の刑務所に服役された方とは比べようもありません。
仮出所した私は、本来らばば戻る借家があるので、すぐに自由になれる筈なのですが、同市内に住む母親の妹夫婦に身元引受人をあっさりと拒否された為に、更生保護施設の面接を受け、行くことになりました。ここで、刑期終了の2013年2月10日までを暮らすことになりました。(釈放中の約半年の期間の意味)
少し話しが戻りますが、8月8日に島根あさひ社会復帰促進センターで修了式を行い、午前9時には終えて、同センターを同日出所した私を含め3名で同じ帰住地である更生保護施設への帰路に着くこととなりました。高速バスで約1時間30分、広島駅に着きました。広島駅では、タバコを買い、お好み焼きを食べましたが、全然喉を通りませんでした。次は、新幹線で名古屋まで約2時間30分の移動です。新幹線の車内で久々の缶コーヒーをグビッと飲み干しました。とてもとても美味しかったです。
ちなみに、帰りの新幹線代は半分しかもらえません。現在の運賃で言うと、広島から名古屋まで普通車の自由席で13540円ですから、6770円は自腹なんです。堀の中では作業報奨金がとても安いので、運賃だけでなくなったり、足りなくなるのが多い現状です。なぜ、あんなに遠くまで連れて行かれて、帰りの交通費位全部出ないのでしょうか!遺憾としか言いようがありません!
そして、名古屋駅から今度は地下鉄を乗り継いで、名古屋保護観察所へ出頭です。ここで担当の保護観察官の面接を、1人あたり40分位受けることになります。3人いますので順番を待っていると、突然すさまじい腹痛が始まりました。脂汗も出て来ます。よっぽど先程新幹線の中で飲んだ缶コーヒーが効いたのでしょうか。トイレへ何度か駆け込み、ようやく痛みが引いて来ました。長年の堀の中の食生活に慣れた身体に缶コーヒーの刺激は耐えられなかったようです。
その後、再び地下鉄で名古屋駅へ出て、JR線で岡崎駅まで向かいました。岡崎駅に着いた頃には辺りは既に暗くなっていました。岡崎駅から更生保護施設までは、タクシーを相乗りしました。
ここで情けない、屈辱的な話しをもう一つします。出所時の服装についてです。普通はかなりの人が、親兄弟・友達に頼んで差入れしてもらい、その服装で帰ります。かなりの人は良い物を着ています。私は誰にも頼む人が無かった為、逮捕された時に着ていた染みのついた白いポロシャツと、腹周りの合わなくなったズボンと言う格好で惨めでした。
ここで、更生保護施設の説明を軽くしておきます。通常は帰住地の無い人、身元引受人がいない人が、最長で6カ月いることが出来る施設で、基本、食事は無料で与えられます。職員は保護司代わりでもあるので、各種手続きなどの援助もしてくれます。更生保護施設は、全国で約100カ所しかありません。ここにいる間に、仕事と住む場所を見つけ自立するのが目的です。ちなみに、岡崎の施設は、大きい方で定員32名です。仕事の斡旋もありますが所詮一時凌ぎの所しかないので、最初からハローワークを活用したりして、自分で探した方が良いと思いました。
更生保護施設に着いたのは、20時近くでしょうか。職員より簡単な説明を受けて、食事と入浴をしてすぐに休みました。
この施設は、昭和34年に建てられた鉄筋二階建てで、畳敷きの2人部屋です。余りにボロく、せっかく出てきたのに、あと半年もこんな所にいるのかと思うと悲しみが込み上げて来ました。(近々、リフォーム予定だったらしい)
また、こう言った団体で生活をする施設ですので遵守事項がいくつかあります。一番重要なのは、【飲酒厳禁】と言うことです。身元引受人がいて自宅へ帰れた人なんか、守る必要のない関係のない事です。ここに来た人だけが制限されるのです。この点には、トラブル防止の為とは言え疑問を覚えました。
その他、施設の特色を列記します。
・門限 21時30分。消灯 22時。
・朝食、夕食は、食堂にて摂ります。オカズ以外はセルフサービス、食器の洗浄まで行い、次の日の札を出し予約するシステム。
・入浴は16時から21時まで、同時に3人までしか入れないので、スリッパで数を確認をします。
・洗濯は、1階、2階に各3台の洗濯機が置いてありますが、働いている人の仕事が終わった時間は取り合いになります。
・部屋では、夏は扇風機。冬はコタツ使用。
・トイレ掃除は、順番制。
・月に1回、全体ミーティングと草むしり活動があります。
・月に1回、名古屋保護観察所の監察官による面接が実施されます。(約30分で、毎回所持金が幾ら貯まったか聞かれます)
・市内外出は、玄関の帳簿に記入後、部屋の鍵を預け出掛ける。
・市外外出及び外泊は、申請書を出しての許可制です。(ほぼ許可が出ます)
・買物して来た物は、職員がチェックするようになった。(飲酒や薬物チェックの為)
・断酒会やコラージュ(貼り絵)のイベントがあり、参加は自由り
・希望者は、貴重品を預かってもらえる。(泥棒がいる為)
・冷蔵庫に入れる物は、記名する。(泥棒がいる為)
・土日は食堂が休みになるので、食事代として1食あたり400円が支給されます。1日1200円になります。
こんな感じです。ルールがあります。特にルールを守れなかった場合は、即刑務所に戻ることになります。
別の意味から考察しても更生保護施設は、ある意味刑務所より厳しい点があります。それは、初犯だろうが累犯だろうが関係なくいる為です。前科5犯のヤクザもいました。覚醒剤の売人もいました。だから、初犯の人やなんかだと怖いと思うのです。
私は、この日から腹をくくりました。なめられないように、強気で行こうと。日銭のもらえる斡旋先に仕事に行く人が多かったですが、年金も払ってません。私は仕事を探すのは後回しとし、借家の復旧と手続き関係を終わらせる為に、次の日から奔走したのです。これは、捕まって間もない頃からずーっと考えていた事だからです。
続く~