2008年の法改正後、制限区分と優遇措置が制定されました。いわゆる堀の中の成績表であり査定です。
制限区分は、1種から4種まであり、具体的に言うと、1種は同行者なしで所内の移動が出来たり家族に電話出来たりします。2種は面会の立会者なしで面会出来たりします。3種の人が殆どで、私は2種まで行きましたが、1種の人なんか殆どいないのです。特に刑期が長くないと上がりません。
一方、優遇措置は、1類から5類まであります。簡単に説明しますと、嗜好品(お菓子)の買える回数、手紙の回数、面会の回数が増えたり減ったりします。ここでは4類から始まり、3類になると月に1回お菓子が買えたり、手紙が月に5通出せたり、面会が月に3回に増えたりするのです。そして、2類になると月に2回お菓子が買えたり、ボディソープが使えたりします。殆どいませんが1類になると、CDプレイヤーの購入も出来るのです。これらは生活態度や作業態度で上がって行きますが、懲罰を喰らったりすると、一気に下がります。
ちなみに、私が4類から3類に上がる時、出来が悪くて1回飛ばされました。つまり、お菓子が買えない訳でのです。みんながお菓子を食べてる中、しばらくの間耐え忍びました。それでも最終的には1年6カ月後の事ですが、このユニットで2人しかいない2類に上がることが出来ました。お菓子が月に2回食べれる様になるので、みんなから羨ましがられていました。
お菓子の説明ですが、3類の人の月1回のお菓子は300円です。箱入りコーヒー牛乳、お菓子3種類位の袋入りセットで、事前にキヨスク端末から注文し領置金から引かれます。金曜日の夕食後から就寝までに食べなくてはなりません。2類になると、これプラス500円セットが別の日に買えて種類も増えます。短時間で食べ切れない為、夕食を減らしたりと調整していました。
物品の購入については、多目的ホールに設置されたキヨスク端末で行ないます。キヨスク端末に自分のICタグを読み込ませますと、自分の領置金、作業報奨金の残高が表示され、このお金で注文します。日用品は、月に1回、登録のある雑誌、お菓子等もこれで入力します。登録のない本を買う時は、別途、願せんに書いて提出します。
基本は、領置金範囲内でしか買えないです。例外としてお金を1円もない人は作業報奨金の使用を申請して、許可されると、その内の何割かは使えるようになるのです。
堀の中も、金なんです!格差があります!ここでは、年に2万円から3万円あれば、かなり豊かな生活を送れます。
話題を変えまして医療の話しです。島根あさひ社会復帰促進センターでは、センター内に診療所があり、一般の娑婆にいる人も診察に来ることがある位の規模です。
具合の悪い人は、朝、担当のオヤジが、
「願いごとはないか?」
と廻って来た時に申し出ます。その後作業中などに、順次呼びに来ますので、別の看守に連行され医務棟へ向かいます。そうすると、民間警備会社職員による金属探知機検査と、巨大な装置による検身を受け、ビックリ箱で待機します。ビックリ箱とは、隣りが見えないように仕切られた待機所です。
「次、◯◯番」
と呼ばれたら、診察室へ入室し先生の前で、
「◯◯番番岩本です。よろしくお願いします。」
と言い、一礼し診察して頂くと言う流れです。
ここでの医療状況は、他の刑務所に比べれば恵まれている方だと思いますが、歯科診療だけは酷いです。最低4カ月から6カ月待ちなんです。だから歯の痛い人は、ひたすら痛み止めを飲んで耐えるしかありません。
我々のユニットでは、月に1回、木曜日の陶芸の時間に、精神科の診察が行なわれ、半数の人間が受診します。診察と言ってもパソコンの前で話して、薬が処方されるだけです。。私は、娑婆にいる時に飲んでた同じ薬がなく、別のとても強い薬を処方されていました。その結果、副作用による性機能障害と便秘になり、丸2年間治ることはなかったのです。
元々下痢症の私が便秘になったのも薬の副作用だけではないのです。堀の中では、朝時間がなく、ゆっくりトイレにも座れないし、食生活も変わり、嗜好品も取れません。また、極度の緊張感に絶えずさらされている影響も大きかったと思います。便秘ですが、1週間から10日出なくなりました。さすがに、お腹が張って苦しくなって来ます。それで、週末に、自分で買ったコーラックの様な薬を飲みました。すると、次の日から2日間位は、下痢が止まらなくなるのです。この繰り返しこそ生き地獄でした。毎日風呂も入れませんので、夏場の作業中に下着を汚して泣いていました。
ちなみに1カ月で支給されるのは、トイレットペーパー2ロール、ちり紙1山です。下痢が続くと足らなくなることもありました。
続く〜