『あんのこと』




こんばんは🌙

明日は本当にお休みないちかです。

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今度こそ本当に休むんだろうね?


うん。

何となく今回のお話は先に終わらせておきたかったし、何とか終わったからね。

今回はわたしの感想、というか思ったことを書きます。

いつもは茶化したり濁したりしていますけど、正直に書きます。

もちろん大したことなんてこれっぽっちも書くことはできませんでしたが・・・

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そもそも杏は何でずーっと逃げ出さなかったんだろう?

こんな環境

地獄以外のなにものでもないのに。


一応人ではない母親とだけではなくて、昔母親から暴力を振るわれていた際に守ってくれたおばあちゃんもいっしょに住んでいたからかな。

杏は介護の仕事につきたがっていたんだけど、それもいつかおばあちゃんに恩返しがしたいっていう気持ちもあったからだし。

ただ、そもそも逃げるということすら考えられなかったのかもしれない。


個人的なことで申し訳ないんだけど、わたしはさすがに杏ほどではないにしろ、ゴミのような親の元で育った。

一度は逃げたけど、結局はまたあいつらと暮らしている。

とはいってもあの連中は同居人に過ぎなくて、衣食は完全に別で住居を共有しているだけだけど。

昔と違ってあいつらはわたしがいないと生きていけないだろうね。

生殺与奪をわたしに握られているわけで、かなり前にも書いたけどそれはわたしなりの復讐。

父親はすっかり萎れたけど未だに母親はわたしをゴミを見るような目で見てくる。

女性化を始めてからはなおさらね。

何なら変わったわたしに対してわけのわからんことをぬかしてくることもある。

まあ、多分勘付いてはいると思うけど、手術やらなんやらしていることは知らないし、きっと知りたくもないと思う。

それは一番知りたくない、認めたくないことだから。

だからあいつの死が間際に迫った時に、耳元で全部言ってやって復讐を終えてやろうかとすら思っている。

でもそれは、結局逃げられないということの証明なのかもしれない。


もちろん杏は全然違うんだけど、逃げるという選択肢すら見えていなかったんじゃないかな?


だから杏が意を決して人ではない母親の元から逃げ出したとき


わたしは本当によかったと思った。

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でも、結局は逃げられなかった。


卑怯な手を使われたからね。

でもあのときの杏は多々羅も桐野も居場所もなくなって、預けられた(他人の)子どもがいたとはいえ、やっぱりひとりぽっちだったから繋がりや居場所を求めていたのかな・・・

そこにタイミング悪くあの人でなしの母親が現れたから・・・


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そういえば多々羅は性犯罪で捕まったんでしょ?

杏のこともそういう目で見ていたのかな・・・


わたしは違うと信じたい。

それに、実際違ったんだと思う。


単に杏の面倒をみていただけならそうだったって思えたかもしれないけど、そんな目でしか見ていなかった人が杏のために理不尽に対して本気で怒ったり


本気で慰めたり


しないと思う。

もちろんこれはノンフィクションのドキュメンタリーじゃないから役者さんの演技ではあるんだけど、これが多々羅の邪な気持ちによる演技だったとは思えないし、思いたくない。


薬物依存更生者の自助グループ「サルベージ赤羽」でさ


参加者が自分の過去や今を語るんだけど、杏は自分のことは何も話せなかった。

でもまともな職を得て、人ではない母親から逃げ出してようやく人間らしい暮らしができるようになり、初めて自分の壮絶な過去を語ることができた。

そのとき多々羅は杏のことをものすごく褒めるんだよね。

「よく話せた!」って、嬉しそうに。

そこに邪な思いは微塵もなかったとわたしは信じたい。


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でも、多々羅は捕まり「サルベージ赤羽」もなくなってしまった。


桐野が「サルベージ赤羽」の参加者に手を出していた多々羅の黒い部分を記事にする際


「それを書けば「サルベージ赤羽」は終わる」


というようなことを言うんだよね。

そして、実際にそうなった。

もちろん桐野にしてみればそれは仕事だし、多々羅の被害者もいる。

多々羅がしたことは許されることではないけど、それでも「サルベージ赤羽」に救われた人も確かにいる。

そんな場所がなくなるということは、再び道を踏み外してしまう人もあらわれてしまうかもしれない。

実際杏は最終的にはそうなってしまったし、ひとつの居場所だけではなく同時に多々羅という恩人を失ってしまった。

しかもそれをした桐野は恩人ではあったけど、自分から幸せを奪った憎むべき敵にもなってしまった。

そこから杏は再び堕ちていってしまうわけで・・・


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何が正解だったんだろう・・・?

どうするのが正しかったんだろう・・・?


分からない。

何が正解だったのかなんて分からないよ。


「僕が記事を書かなければ杏ちゃんは・・・」


って桐野は言っていたけど、書かなかったとしてもどうだったかなんて分からない。
結局はなるようにしかならなかったとは思う。
それでも、何が最善だったんだろう・・・とは考えてしまうんだ。

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そもそも人でなしの母親がいなければ、そんなことにはならなかったんだ!!


そうだよ。

何もかも全部そこから始まっている。

元凶だし、巨悪以外のなにものでもない。

そういう家族や血の繋がりもあるんだよね。

それでも家族の絆が〜とか、血の繋がりが〜とか言うやつの気がしれないし、そんな境遇の人間に対して(杏は小学校すら通えなくなった)義務教育を放棄したのは自己責任で〜とか言うやつの気がしれない。

自分で自分に対して使う分にはいいけど、他人に対して自己責任が〜って安易に言うのはただの無責任だよ。

そんなやつのことは全く信じることができない。

そこからコロナで杏はさらに施設と学校という居場所を失う。

施設を去る際に


昇り龍のおじいちゃんから


「行かないでくれ!」って引き止められていたのはしんどいよね。

「戻ってくるから」って杏は言ったけど、戻れなかったし・・・

最後の学校の日に、名残惜しそうに遅くまで一人で残っていたのもしんどいよ。


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ところで、いちかがこの映画で一番しんどかったのは何?


多々羅がさ、杏に日記を書けって言うんだよ。


で、「クスリを使わなかったら、その日の最後に丸をつけろ」


って。

それはただの1日かもしれないけど、やがて1週間になり、1ヶ月になり、1年になり・・・と、どんどん積み重なって行く。


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実際、○は増えていくんでしょ?


だけど、最後の最後に杏は積み重ねていったものを自ら崩してしまう。

どうにもならなくてそうするしかなかったから。

だけど、我に返ったのか杏は日記を開くんだ。

もう○はつけられないんだけど、それでも何か書こうとして。

だけど何も書けない。

ただ手が震えているだけで。


それが本当にきつかった。


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・・・やっぱりさ、観終わったあとは怒りがわいてきたの?


もちろん腹は立つよ。

それは当然でしょ?

腹が立たない人っているの?

だけど、それよりもやるせなさやもどかしさ、何が最善だったのか、どうするべきだったのか、そういうことの方がわたしは大きかった。

実際にご覧になられた方が何をどう感じるかはわからないけど、少なくともわたしはそう感じた。


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まだまだ書くべきことはある?


そうだねえ・・・

まあでも、これで終わるよ。

案の定何一つ上手くまとまらなかったしちゃんと書けなかったけど。

やっぱり最後に少しだけ・・・


今作は公開2週目の作品ですが、愛知県では現状7ヶ所で少ない回数でしか上映されていません。

ということもあってか、土曜日の昼に鑑賞したとはいえスクリーンはほぼ満員でした。

それだけ話題作なんだと思います。

いつものごとく、わたしでは大したことは書けませんでしたが、かなり衝撃的かつ重い作品です。

役者さんたちの演技は素晴らしく、内容が内容だけに、撮影は相当大変だったんじゃないかな?と勝手に思っています。

わたしは観終わったあと相当しんどかったし、引きずっている部分もあります。

帰り道でもずっと考えていたし、翌日これを書きながらも考えています。

美談のような話ももちろんいいとは思いますが、こういう話こそもっと観るべきだし考えられるべきだと思います。

もし可能ならぜひご覧になってみてください。

こんなゴミみたいなブログは抜きにして、他の方のどんなに素晴らしいレビューの数々を読んだろころで、多分この作品は全然伝わらないと思います。

当然ではありますが、実際にご覧になることでより強い衝撃を受けるのではないでしょうか。

どうしようもなくしんどいですけど、観る価値は間違いなくある。

わたしは思います。

こういう話をよかった、と言っていいのかは分かりませんが、観てよかった。

と、わたしは思うよ。


何だかいつもどおり薄っぺらで大変申し訳ありません。



それでは

今回もありがとうございました♡

バイバイ!またね♡

Salut(サリュ)♡