『美と殺戮のすべて』

ナン・ゴールディン
写真家
姉の死や施設に送り込まれたこと、ヒッピー文化に触れたり一人のアーティストとの出会いが彼女を写真家への道に駆り立てた。
1970〜80年代に自分や家族、友人たちやいっしょに共同生活をしていた友人たちの“ありのまま”の姿を撮らえたポートレートでその名を轟かせた写真家でありアーティストだそうだよ。
わたしは全然知らんかったけどマシュマロちゃんはどう?
で、その作品っていうのがこんな感じ。
本当に自分の周りの日常のひとコマを写した作品なんだよ。
中にはドラッグやバイオレンスやセクシャルなもの、セクシャリティに関するものをまとめた『性的依存のバラード』なんて作品もあったりして、かなり過激だったりもする。
野郎どもが支配するアート界隈では「こんなもんアートじゃねえ!」っていうお得意の頭の硬さを発揮する野郎どもが多々いたっぽいね。
「女がアート?(鼻で笑うw)」みたいなやつらとか。
そういうのってほんとによく分からんよね。
そんなナン・ゴールディンさんの波乱万丈な半生を語りながら・・・
オピオイド危機とは
オピオイドとは、ケシから抽出した成分やその化合物から生成された医療用鎮痛剤(医療用麻薬)で、優れた鎮痛効果のほか多幸感や抗不安作用をもたらす。1995年、米国では製薬会社パーデュー・ファーマがオピオイド系処方鎮痛剤「オキシコンチン」の承認を受け、常習性が低く安全と謳って積極的に販売。主に疼痛治療に大量に処方されるようになり、2000年頃から依存症や過剰摂取による中毒死が急増。全米で過去20年間に50万人以上が死亡し、大きな社会問題となっている。
オフィシャルサイトより
ナン・ゴールディンさん自身も処方されたオキシコンチンにより命の危機を経験したそうだよ。
それがきっかけとなって、オキシコンチンを製造販売していた製薬会社パーデュー・ファーマー社とその創業者一族であり、多額の寄付で美術界を支配していたサックラー家を相手に戦うことを決意し、そして実際に戦った記録を描いたドキュメンタリー映画だよ!
わたしも当然知らなかった(無知で申し訳ないです💦)表向きは慈善家で、世界各国の名だたる美術館に寄付や所有する作品の寄贈を行うなどして、アート界隈では絶大な力を持っていた一族みたいだよ。
だけど裏の顔は製薬会社パーデュー・ファーマー社の創業者であり、役員として絶大な権力を持ち、危険性が強い鎮痛薬をバラまいていたんだよ。
そら金になるからでしょ。
意図的に効果と依存性を高めた鎮痛薬を病院に売りさばいていたみたいだね。
医者には手厚いキックバックもあるから、医者も喜んで処方箋を出しまくるんだ。
創業者は今作で問題になっていたオキシコンチンの開発時には他界していたみたいだけど、営業戦略やシステムは後継者たちに受け継がれていたんだ。
オキシコンチンが開発された際には「処方箋の嵐を吹き起こすぞ!」なんて営業スローガンが掲げられたみたいだよ。
所詮、人の命なんて金以下なんだろうねえ。
関係ないけど日本でも安楽死の導入を!なんて声もあって、わたしも安楽死の導入には賛成なんだけど、
去年観た『すべてうまくいきますように』でさ、
アンドレが安楽死するためにフランス(安楽死✕)からスイス(安楽死○)に行くことになったじゃん?
でも安楽死が認められてるっつっても、実際には色々と条件や越えなきゃいけないハードルがあるわけで誰でも簡単に安楽死させてもらえるわけじゃない。
前も書いたけど、何よりも大金がかかる。
生きることも死ぬことも金次第って現実がある。
それから、ナン・ゴールディンさんはオキシコンチンで中毒にはなったけど、それ以前に薬物に依存していた時期があったりもしたよ。
で、「薬物依存は意志の力でどうにかなるものじゃない。必要なのは適切な治療(薬物の使い方)」なんて言っていたね。
そういうのはわたしは好感が持てるかな。
そんな感じで、終盤リモート裁判(!?)でサックラー家の人たちとの直接対決の緊迫感は凄まじかったし、ナン・ゴールディンさんはめちゃくちゃかっこよかったし、何よりも
「生き延びることがアートだった」
は、かっこよすぎる!!
この雄ばさんも、
「生き恥を晒し続けることがいちかだ」
何て言えるように精進していければと思います。
それにしてもドキュメンタリー映画はやっぱりおもしろいよね。
もっと色々やってくれるといいんだけどなー。
今作、まだ始まったばかりなので機会があればぜひご覧になってみてください♪
それでは
今回もありがとうございました♡
バイバイ!またね♡
Salut(サリュ)♡