『Firebirdファイアバード』
もちろん。
ただ、観る前のイメージとはけっこう違っていたかな?
いや、そうじゃないよ。
今回はなんとなく概要を最後に持ってくるんだけど、良い作品だったよ。
良い作品っていう言い方は適切じゃないかもしれないけど。
てか、わたしいい男を捕まえようとしているMtFだけど、わたしは同性愛者になるのかね?
未だによく分からん。
まあそれはいいや。
で、この映画って最初は戦争+同性愛で悲劇を描いた作品なのかと思ったけど、戦争映画って感じではないんだよ。
訓練や戦闘機で出撃するシーンはあるんだけど、戦闘シーンはないんだ。
後半は主人公の一人セルゲイが退役したあとの話になるんだよね。
しかも、そういう三角関係の話になるんだ・・・みたいな?
そこが思っていたのと違って、ちょっと驚いたかな。
ただ、それはどうなんだろう?と思ってしまうような部分もあるんだよ。
腹を立ててしまう人がいたとしてもおかしくはないと思う。
何とか諦めるというか、抑えることはできなかったのかな、というか・・・
それでも抑えられなかったが故の悲劇。
ちなみに舞台となるエストニアは長らく同性愛が禁止されていたみたいなんだけど、2021年にこの映画が公開されてコロナ禍にも関わらず大ヒットし大きな反響をよんだそうだよ。
それが一つの原動力となり、2023年3月に同性婚法案が可決され、2024年1月に施行されたそうだよ。
これは旧ソ連圏では初めてのことなんだって。
すごいよね。
現場実習生の闇を描いた『あしたの少女』なんかもそうだったけど、
娯楽である映画にも社会を変える力があって、そういう作品が作られている。
日本はどうなんだろうね?
物語は1970年代後半のソ連占領下のエストニア。
兵役につていた二等兵セルゲイは
基地の指揮官クズネツォフ大佐(左)にも気に入られ、
誰もが兵役を更新延長すると思っていたが、そうはせずに間もなく兵役を終えようとしていた。
そうだよ。
だけど、それでも思いは止まらない。
二人は共通の趣味だった写真を通じて仲良くなり
バレエを観たことがないというセルゲイを、ロマン大尉はバレエ鑑賞に連れて行ってくれたりする
だけど、問題が起こるんだ。
ひとつは
セルゲイの同僚ルイーザ(真ん中)のこと
ルイーザはセルゲイに(周りから見てもあからさまなほど)好意を寄せていたんだけど、セルゲイは応えることができない。
だけどロマン大尉が赴任してきてから、ルイーザもまたロマン大尉に惹かれてしまっていたんだ。
当然ロマン大尉もルイーザの想いには気づいているんだけど
ロマン大尉の目には
セルゲイしか映らない
そしてもうひとつは、何者かが匿名でロマン大尉が同性愛者だと告発したこと。
同性愛は最低禁固5年以上の罪。
不幸中の幸いというか、ロマン大尉と恋仲になっていたセルゲイのことはバレていなかった。
ロマン大尉はデタラメだと主張し、クズネツォフ大佐の援護もあってなんとかやりすごすんだけど
告発を受けたズベレフ少佐(KGBの人?)は執拗にロマン大尉をかぎ回る
そんなこともあってロマン大尉はセルゲイを守るためにも「君との間には何もなかった」といい、二人の関係は終わりを迎える。
それから一年後、
兵役を終え、モスクワの演劇学校に入り役者の道を歩んでいたセルゲイの元を
ルイーザが訪ねて来るんだ。
そしてルイーザの口からロマン大尉と結婚すること、お腹には赤ちゃんがいることを告げられる。
必死で平静を装うセルゲイに、ルイーザは結婚式に来てほしいと伝える。
それは観てみてください、としか言えないかな。
いちか的には結婚式で元気のないセルゲイに対してクズネツォフ大佐が
「君の気持ちはよく分かる。ロマン大尉が赴任してこなければルイーザと結ばれていたのは君だっただろう」