『チョコレートドーナツ』
今作は公開当時異例のロングランヒットした作品ということで、けっこう有名な作品だと思うんだ。
だけど恥ずかしい話、わたしはまったく知らなかったよ。
本当に、観るべき映画はいくらでもあるし、一生消えない1本もいくらでもあると思う。
ゲイバーで口パクシンガーとして働いていたルディ(手前)は
いつか本物のシンガーとして、ちゃんと自分の声で歌える日を夢見ていた。
そんなルディはある日、店にやって来た
検察官のポール(普段はゲイであることを隠している)に
一目惚れされ、2人は恋に落ちる。
そして何だかんだありつつもいい感じになるんだけど、
特に親交があったわけではないけど、明らかにマルコは母親に育児放棄されていたことも知っていたし、ルディはマルコのことが気になっていた。
ポールに相談したりもしていたしね。
そんなある夜、ポールの車に乗っていたルディはマルコが一人夜道を歩いているのを目撃する。
マルコに話を聞くと、家庭局の施設を抜け出して家に帰ろうとしていたみたいだけどマルコが向かっていたのは家とは逆方向。
マルコのことが心配になり、どうしたものかと思ったルディはマルコを自分の家に連れ帰る。
初めて見せるマルコの笑顔を見るうちに、
そこは検察官だったポールが法律の知識を駆使してがんばったんだよ。
いっしょに暮らすのも、住む家に細かい規定があったりするからだし、マルコの母親に刑務所まで会いに行って、親権の委託(正式な名称は忘れた💦)を取り付けたりね。
ただ一つ懸念もあった。
2人が同性愛者だったこと。
当時は今とは比べ物にならないぐらい同性愛者への偏見も強く、風当たりも強かったからね。
同性愛者のカップルに子どもを託すなんてありえない!ってことになってしまう。
だから、あくまでもルディとポールは従兄弟だと偽るんだ。
そしてマルコと暮らす許可をもらい
マルコはルディとポールからたくさんの愛情を受けて、よく笑うようになり、
学校へも通えるようになって、驚くほど成長するんだ。
さらにポールはルディにカセットレコーダーをプレゼントして、ルディは自分が歌う曲を録音したカセットテープを色んなクラブに送ったりもした。
そんな感じで幸せな日々が1年間続くんだけど・・・
ついにルディとポールが同性愛者だということがバレてしまい・・・
その前に検察官だったポールだけど、3人で暮らし始めてから弁護士になるんだよ。
下らない理想論、青臭い正義感を持ち検察官になったはずだけど、いつしか正義などないということを思い知り、同性愛者に対する差別も「これは差別じゃない。現実だ」と同性愛者である自分自身が口にしてしまうほどにはやさぐれていた。
マルコを引き取る決意をしたルディは、最初渋っていたポールに
偽りの自分を捨てて、本当の自分になるチャンスよ!
下らない理想論を忘れたの!?
というようなやり取りを経て、ポールは変わったんだ。
本当の自分をさらけ出すことが必ずしも全てだとは思わないけど、何だかんだ(一応)隠して過ごしているわたしにゃ少々耳が痛くもあった。
で、マルコが帰ってくるか否かだけど・・・
ルディとポールはそれでも諦めずにマルコを取り戻すために再度裁判を起こすんだけど、同性愛者がとにかく気に食わない検察がマルコの母親と司法取引をして、減刑と引き換えにマルコの親権を取り戻させてしまうんだ。
そのためマルコは母親の元に行くことになる。
ポールが手紙を送るんだ。
裁判で争った検察官や判事たち、さらには邪魔をした元上司たちに。
「ガソリン高騰、大統領選など一面を飾る報道の陰に、小さく埋もれた記事です。
・・・」
わたしはね、本当に血の繋がりなんて何の意味もないと思うし、子を愛さない親なんて何の価値もないと思う。
たとえ本当の親じゃなかったとしてもルディたちみたいな親の方が、比べるまでもなく親だと思うし、家族だと思う。
『aftersun アフターサン』の成長したソフィや、
『スワンソング』でパットも驚いた家族みたいな
家族が当たり前にあってもいいと思うんだけどね。
『チョコレートドーナツ』は邦題なんだけど、
マルコがチョコレートドーナツが大好きだったんだ。
そこから取られたってのが一つと、ジャケットにも書いてある通り、リング状のドーナツみたいにぽっかりとあいた胸の隙間を3人は互いに埋めあっていたんだろうね。
ということで、憧れのシンガーになったルディが
それでは
今回もありがとうございました♡
バイバイ!またね♡
Salut(サリュ)♡