『君は行く先を知らない』
簡単なあらすじ?
荒野を行く1台の車。
成人したばかりの長男は静かにハンドルを握り、
助手席の母親は時折歌を口ずさみながら、騒ぐ次男をたしなめる。
仏頂面で後部座席に座る父親の足には鍵盤が描かれたギプスがつけられ、幼い次男は音階を口にしながら鍵盤を弾く。
トランクでは病弱なジェシーがうたた寝をしていた。
自転車レースの選手たち、小さな売店、待ち合わせ場所、分かれ道の壊れた標識、辿り着いた小さな村、そしてキャンプ・・・
様々な人とすれ違い、様々な場所を通り過ぎながら続けられる4人と1匹の旅の目的は、きっと君には分からないはず。
だってまだ・・・
君は行く先を知らない
のだから・・・
これは、そんな家族の旅を描いた、イラン発のロードムービーです!
⚠WARNING⚠
一応少しネタバレがあります!
わたしは予告編だけを観た状態で観ましたが、正直
と、なりました(笑)
また、エンドロールに突入した瞬間に席を立つ人が、普段よりも明らかに多かったです!
そこで、僭越ながらわたしからのお願いです!
観る前に予習をしましょう!
と言うか、オフィシャルサイトに目を通しておくだけでもかなり変わるのではないかと思います!
そこで観る気が失せたなら、観ないのも一つの選択です!
国内の映画なら、正直そういう作品は如何なものか?と思いますが、海外の、それも事情のある作品なのでしょうがないか・・・とは思います!
わたしはなるべく予告編以外の情報を遮断するので、今回はそれが裏目に出てしまった感じがありましたね!
それでは本編START!!
唐突だな!!
この物語は何処かへ旅立つファリド(長男)を家族みんなで見送る物語です。
そして、先に言ってしまうんですけど、
イランという国の情勢や背景を知らなければ細かい部分までは間違いなく分からないと思いますし、なぜこの映画がこうなっているのかが分からない。
そのため、旅の目的がはっきりしないまま、もちろん決して愉快な旅ではないということは分かるものの、その辺りの説明が一切ないまま、旅は唐突に終わりを迎えます。
行く先や目的を知らないのは幼い次男で、次男と同じ目線でファリドの旅立ちの時に同行するには、わたしの目は濁りすぎていました。
いや、次男だって何となくは察していた風でもあったけどね。
とにかくそんな感じで、はっきりしたことが何も分からないまま投げ出されてしまいます。
少し調べてみたところ、ファリドが旅立たなければいけなかった理由はあえて描いていないようです。
そして、監督の父(偉大な映画監督のようです)やその周りで実際にあったことを、なんとなく察してくれよ!というような形で描いているようです。
その理由は、
直接的に描いてしまうと国に弾圧されてしまうから。
そのため、そういう事情を知った上で観ていれば、また違った味わいがあったのかもしれませんね。
とはいえ、決して愉快なものではないことは分かるし、それとなくでも知った上で、それこそ事前に予習して観たとしてもわたしの評価はさして変わらなかったと思います。
可もなく不可もなく。
そんな作品でした。
そして、
背景が分からない+はっきりと描いていない(描けない)
=困惑
が、どうしても生じてしまいます。
難しいとは思いますが、何か簡単な補足でもあればよかったな・・・と思います。
いちか的に良かったのは、家族みんなの繊細な演技だったり、あえて大事な場面を遠くから見せたりといったところでしょうか?
まるで、鳥が見ているかのように
また、全体的には何気ない感じで、
どことなく日本の歌謡曲っぽいイラン歌謡曲とか
暴れ回る次男は、人によってはうざったく感じるかも
というわけで、当事者のことを当事者ではない分からない人に理解してもらうのって難しいよね。
この作品は、何となく察せられるにしてもわたしにはやっぱり分からない部分が多くて、理解なんてちっともできていないと思う。
そんな感じで、例えばMtFを題材にした映画を当事者ではない人が観てもさ、何となく察してもやっぱり分かんないじゃん。
だから、分かりやすいよう安易なところに運びがちなんだろうねえ。
それをしなかった(出来なかったが正確か)のに、多くの人に評価されているこの作品は、本当に素晴らしいんだと思うよ。
いかんせん、わたしの何もかもが小さすぎて受け止められなかっただけで、ね。
それでは
今日も来てくれてありがとう♡
バイバイ!またね♡
次回予告
旅路の果てに待つものは・・・
人間なんていなくなった、平和な世界かもしれない
※事情により予定を変更する場合があります。