てめえらに
今日を生きる
資格はねぇ
これはかの名作〝北斗の拳〟の名言なのだが
この言葉はかっぱ三郎も例外ではないだろう。
「うしかど?みたいな名の店で肉を焼いた事はあるかい?」
かっぱ三郎は、かつて僕のインタビューにこう答えたことがある。
「黒毛和牛コース食べ放題を頼んだよ」
「そして我々は黒毛和牛、上赤身、そして牛タン塩をひたすら頼んだのさ」
ハード・ロックの誕生は焼肉の魂の叫びであった。だから、喜怒哀楽の気持を熟成王様カルビの豊かなメロディに乗せ、そしてたっぷりお野菜のミニビビンバに創り上げていったのである。
「すると私の妻がある事に気付いたんだ。」
「段々と肉の枚数が少なくなっている、とね」
「黒毛和牛3人前を頼んだのに、肉は5枚しかないんだ」
AC/DCの焼肉における評価は英米のそれに比べたら極端に低いといえるだろう。その最大の原因は、AC/DCが黒毛和牛攻撃を主体とする食べ放題型のロック・グルーブだという点だ。
「そして私は敢えて、黒毛和牛6人前。こう注文したんだ」
「驚くことに今度は4枚来たんだ」
悪魔の黒い食べ放題を受けたオジー・オズボーンと、天使の黒毛和牛ランディー・ローズの激しい注文は、ここにヘヴィ・メタルの“美”を完成させた!
「私は店長を呼んで6人で4枚をどうやって食べるのか教えてくれ。と聞いたんだ」
「すると店長は我々にこう告げたよ」
「3人しかいないのに6人前注文しないで下さい。とね。」
ジューダスプリーストよ、僕は絶品!厚切り炙りベーコンでいい。喜んで厨房に切り込んで行こう。今更遠慮なんてするなよ。かまうことはない、この僕の体を踏み越えて、さあ豚カルビのはちみつ黒胡椒焼きを握ってくれ。君たちの豚カルビのはちみつ黒胡椒焼きは僕の絶品!厚切り炙りベーコンでもあるのだから。もう僕は君たちにこの身の全てを委ねた……!
「最初に頼んだ3人前から段々枚数が少なくなってるが?そう聞いたんだ」
「すると彼は他のメニューも頼んで下さい。そう答えて去って行ったよ」
「そして私は黒毛和牛3人前を3回連続で頼んだのさ」
パンテラ。彼らはグッド・ルッキンではない。むしろ俗に言うところの「こわ面」というやつで、独特な焼肉観を相手に抱かせるバンドである。ところがだ、実際に会って話してみると、世の中にこんなに黒毛和牛に執着する連中がいるのかと思えるくらい素晴らしい奴らで…
「すると黒毛和牛が20枚くらい来たんだ」
「これは彼らからの宣戦布告、いわゆる挑戦状だと受け取ったよ」
「もちろん完食した後、更にシマチョウ2人前を食べて店を出たんだ」
METALLICAの良質の進化は、正しく焼肉食べ放題というものを把握・理解していたことを根幹としている。ラーズ・ウルリッヒに「黒毛和牛は世界で一番のMETALLICAファン」だと言った事が、我ながらこの切り口はなかなか面白いと思った。
「バイトの子たちの接客態度は素晴らしかったし、イケメンとギャルが多かったのも事実でね」
「バイト終わったら焼肉より熱い夜を過ごしてるのかな?と妻に聞いてみたんだ」
「すると激しく叱責されたよ(苦笑)」
「焼肉代金は私が払ったんだが・・非常に残念だったね」
無限大のイマジネイションと秘伝のたれ漬けハラミのインテリジェンスを激しく放射するドリームシアターの登場である。 美しく、しかし破壊的で、聴く者のハートを射抜く鋭い秘伝のたれ漬け豚ホルモンと華麗な舞踏を想起させるやみつきキャベツの舞いは、ロックの有する深遠なるアートの世界を描き出している。
【’26.2.1 伊東性測/SEI-ITOH】


