1ヶ月以上仕事にどっぷりとはまっていました。
残業時間が増えてくると、精神的にも体力的にもきつくなってしまいますが、これも自分の選んだ道なので文句は言えませんね。
仕事が大変な時期でしたが、そんな中でもちょっとしたドラマがあったり、感動があったり、達成感を味わったりと、決して嫌なことばかりではありませんでした。
そうでもなければ、あっという間に心も体も壊してしまいますので。
さて、今回は仕事で奮闘した出来事をちょっと紹介します。
ある製品の開発を担当することになりました。
その製品では板状の金属部品を扱うのですが、金属の厚さは当初0.3mmでした。
そこで試作品を製作してみると、どうもうまくいきませんでした。
なぜ計算値と試作品の実測値が違うんだろう…。
もう答えがわからず毎日悩み続けました。
期限が迫る中、時間だけがどんどんと過ぎていって焦りが募りました。
その後、メーカーの担当者さんと打ち合わせを繰り返しながら、ようやく答えを見つけたのです。
当初0.3mmの板厚でしたが、設定が0.25mmだとうまくいきそうでした。
ものづくりにおいて、設計的に成立する最適な解を見つけた瞬間は、設計者にとっての醍醐味の一つでもあります。
ところが新たな問題が発生しました。
厚さ0.25mmだと、市場にあまり出回っていないので、メーカーさんは大量に材料を購入しなければならず、コストが上がって採算が合わなくなってしまうのです。
赤字のものを作って売っても商売になりません。
「0.3mmではなく、どうしても0.25mmでなければならないんです」
こちらの熱意が伝わったのか、メーカーの営業担当の方もあちこち問い合せて奔走してくれたのかもしれません。
0.25mmの材料を少量で仕入れられると連絡が入りました。
この時は心の中でガッツポーズでした。
0.3mmと比べても殆ど値段を変えずに0.25mmで部品を作ってもらえることになったのです。
金属板の厚さを0.05mm単位で選べるというのも、日本の技術の素晴らしいところです。
それも単に作れるというだけでなく、特筆すべきは大量に生産しても一定の板厚を保てる量産化の技術が優れている点なのです。