剣道の愛好会が主催するパーティーに参加しました![]()
上海で一緒に剣道を習っている外国人も何人かいました。
バイキングの料理を皿に盛り、私がテーブルでご飯を食べていると、
最近剣道を始めた中国系のアメリカ人女性が挨拶しに来てくれました![]()
彼女は四児の母親で、子供たちと一緒に自らも剣道の練習に参加しています。
いままで自分の子供たちに他のスポーツも経験させてきましたが、
子供たちの心身を鍛えるのに、こんなに素晴らしいスポーツは他にないと、
日本の剣道を絶賛していました。
随分としっかりした考えを持っている方だと思って名刺を拝見すると、
彼女は上海市内にある大学の客員教授だとわかりました。
どうやらサムライスピリットにすっかり惚れ込んでいる様子でした。
漠然としている武士道の精神など、私も具体的に説明することは難しいのですが、
それでも1時間くらい剣道に学ぶ精神の魅力について語り合いました![]()
剣道は竹刀を上下に振る動作の繰り返しですが、この単純な動作の中に
色々な意味が込められています。
例えば面打ちについて言えば、まっすぐ正確に、そして速くて力強い面を
打てるようになるまでは、何年も鍛錬を続けなければなりません。
この決められたことを継続させるには、強い目標と忍耐力がなければ
できないことです。
力とスピードのある若者でも、剣道では経験のある年輩者に勝てない事が多く、
この点が他のスポーツと異なります。
磨き上げられた技に、精神的強さが伴わないと勝てません。
6段、7段クラスの先生方はとても聡明です。
これは、剣道が頭を使うスポーツだということを証明してくれています。
私がこんなことを説明すると、彼女は次のように答えてくれました。
「30年前に中国で改革開放が始まってからは、お金持ちが増え、
もともと謙虚な精神を持っていた中国人の多くは他人を見下すようになって
しまいました。
宗教の教えのように、確固たる信念がほとんどない世の中では、
剣道は我が子の精神を鍛えるのにうってつけです。
上海の道場には、本当に素晴らしい先生が沢山いますね。
謙虚で礼儀正しい反面、時には稽古中に子供たちを厳しく叱ってくれる
場面もあります。
私は子供たちに15歳までは強制的にでも剣道を続けさせたいです。
でも15を過ぎたら、自分たちの好きなようにしなさいと伝えるつもりです。
最近、私は友達に剣道の写真を見せて、こんなに素晴らしいスポーツが
あるんですと自慢しているんですよ。
そしたらみんな剣道に興味を抱いてしまって。
もし会員が増えすぎてしまったら困るので、
最近はあまり紹介しないようにしてるんですよ(笑)」
更に会話を続けていると、彼女からこんなことも言われました。
「日本で凶悪な事件が増えているのは、日本の剣道人口が
減っているからではないのですか?」
これを聞いて、私は秋葉原で殺傷事件が発生した頃に、
一緒に剣道をしている日本人が言っていたことを思い出しました。
「もしあの犯人が子供の頃から剣道を習っていたら、
少なくともあんな悲惨な事件は起こしていなかった」と。
アメリカ人の彼女は、日本人の彼と似たような考えをしていると思いました。
そして私は彼女に対して次のように答えました。
「もともと日本人の一人一人には、剣道を習わなくとも武士道のような
謙虚で忍耐強い精神が宿っていました。
ところが残念なことに、最近の日本人はその大切な心を失いつつあります。
いまの日本人は昔の日本人とは違います。
あなたが思っているほど、そんなに日本人は皆が皆勤勉ではありません。
何かが変わってしまったんですね。」
私は外国人と交流することがとても好きですが、こういった会話をする度に、
自分が日本人でありながら日本の文化や言葉をうまく説明できない
恥ずかしい思いを経験してきました。
私が日本の武士道について興味を抱き始めたのは、上海で剣道を始めた事で、
外国人が武士道を深く学ぼうとしている姿勢に刺激を受けたからでもあります![]()