ランダムに感想文を掲載しています。
しかし、
「感動した」
「よかった」
という文章の中に、
最初に取り上げたような感想文が何通かあります。
前にも書いたことがありますが、
わたしはアンケート大嫌い人間です。
今回のように、演出として臍を噛む思いでいるのに、
「感動して」もらっては困りものだ。
私の思いに近い感想文が第1回目のものと、この1通である。
演出としての総括の前に、
丁寧な手書きでFAXしてくれたその感想文を掲載することにする。
広島県 KU様
劇団アドックの作品は初めて。
三浦綾子さんは、上京前に「母」を通読してきた。
始めまして。
新劇というものを観たのは、今回が初めてかもしれません。
伝統演劇は能や歌舞伎は好きで観ています。
ブログで「母」の上演を知りました。
宣伝が上手いというか、ひきつけられました。
三浦綾子氏の原作を読んでみました。
面白いので、立て続けに3度読みました。
小林多喜二氏の小説も古本屋に頼んで「一九二八年三月十五日」、
「党生活者」「工場細胞」「不在地主」「独房」などを読みました。
そのようなものを読んでいるうちに期待が大きくふくらんできます。
どうしても「母」を観たい、
とりわけ小林多喜二氏という人物に会いたいと思うようになりました。
土曜の昼は満員かと思って、劇団に電話しても誰も出ません。
友人の家に一泊し、早朝7時に劇団に電話すると、
演出の伊藤さんが出てくれました。
ドキドキしながらチケットは買えますかというと、
「大丈夫です。お待ちしています」と答えてくれました。
早速、友人宅でシャワーで身を清め、
散髪屋に行き、
小林多喜二さんに会うのに失礼のないようにしようと思いました。
思ったより小さい劇場でした。
幕が開くと、三園さんという女優の演じる母親の語りが始まりました。
「すごい!」
ぐいぐいと引き込まれてしまいました。
こんな女優さんがいるのに、知らないでいたなんて不思議な感じがしました。
やはり東京の劇団はすごいなと思います。
場面が進むにつれ一人ドキドキしていると、
待ちに待った小林多喜二が登場しました。
食い入るように観てしまいました。
でも、えっこれが多喜二か?と思いました。
小林多喜二のイメージがまったくないのです。
格好も、反応もぶっきら棒で、
表情のないお面をかぶっている人物でした。
これが多喜二の本当の姿なのでしょうか?
演出は小林多喜二の本を読んでいますか?
多喜二を演じた水野さんも原作や多喜二の本を読んでいるのでしょうか。
和気藹々の兄弟の中に多喜二が加わった途端に異物が紛れ込んだようになるのです。
私の描いていた小林多喜二は別人なのかもしれない。
自分のことだけを考える人物のはずはないと思います。
これが演出意図なのでしょうか。
観劇してぐったり疲れて帰ってきました。
友人は、どうだった?としつこく聞きます。
「面白かったよ」
と言っておきましたが、その夜は一睡もできませんでした。
お答えはいりません。
ただ、期待は裏切られました。
勝手気ままに書きました。
お気に触りもあろうけれども・・・
という歌詞が2幕の踊りにありましたが、どうぞお許しください。
文章はまだ続きますが省略します。
演出のわたしのプランかと問われています。
言い訳をするつもりはありませんが、
プランではないが責任であることだけは事実です。