慙愧に堪えない・・・ | 演劇人生

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飲み過ぎた思い出 ブログネタ:飲み過ぎた思い出 参加中
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「おい、本気でこんなブログネタ書く気か?」

心の何処かに棲みついているいる羞恥心という生き物が呟いた。

「もう時効だろうし、いいんじゃないか?」

吾輩が答えた。

「そうか・・・年も年だし、かかわった人物が読むわけでもないだろうから、いいとするかァ」

羞恥心のヤツがそういってそっぽを向いた。


あれは岐阜県の地方にある町でした。

毎年のようにお芝居の研修で招待されて行く恒例行事でもありました。

二日間は地元の劇団の稽古を見て徹底指導をする。

最後の一日は地元の高校で一時間の講演をする。


その二日目。

稽古を観た後、

劇団のみんなと食事をすることになり寿司屋に行った。

「きょうは特別美味しい日本酒があるんですよ」

・・・と出され、加減をすればいいものを、

「美味しい」「どうぞもう一杯」と盃を重ね二三合はいったかも知れない。

寿司も食べ終わった頃に、

「先日フランスへ行った時のお土産」

と、高級ブランデーを抱えてきた劇団員がいた。

「さあどうぞ!」

「美味しいね」

で飲んだのか飲まなかったのか、

この辺から意識が定かではない。

「ごちそうさま~ァ!」と言ったろうと思う。


この後はまったくの推測である。

気分として、両脇を支えてくれていたのは女優さん二人・・・だったと思う。

・・・で、

朝、旅館でふと目を覚ますと、

わたしの両脇には女優さんが添い寝している。

「あれ~ッ」

ちゃんと下着姿になって、川に字の真ん中で寝ていたのです。

「起きた?」

両脇の女性も目を覚ましてニヤリとした笑顔を向ける。

「あれ、二人とも昨日から?」

「そうよ」

「すごかったわよ」

「え、ぼくが何を?」

「何をって、イビキがすごかった」

「イビキか・・・よかった」

「よかったのはそれだけじゃないわよ!」

「他にって何?」

「何もしてこなかった」


このような会話を交わして洗面所へ行くと旅館の女将が顔をだし、

「伊藤さん、見損なったわ。女の人を自分の布団に誘うなんて最低ね」

と、ピシャリ。

「すみません」を何度か繰り返し、

味のない朝食をそそくさと済ませた。


で、午前十時から地元の高等学校で講演会。

旅館に迎えに来たタクシーに乗ろうとすると、

ガ~ンガ~ンと頭が割れるように痛い。

学校に着くと、昨日一緒に飲んでいた先生はシャンとしている。

「先生、昨日飲み過ぎて二日酔いです」

と打ち明けた。

一歩足を進めるとガ~ンと頭をぶん殴られたように顔をしかめながら最前列のた椅子に座る。

「これから講演をしていただく先生を紹介します」

というので立ち上がったが顔をしかめるほどの頭痛が襲う。

「実は、伊藤先生は酒が弱くて、夕べ私がすすめた酒を残しちゃいけないと、注がれるままにグイグイ飲んじゃっいました。そのおかげで今日は酷い二日酔いになっています。と、いうわけで、途中で具合が悪くなる可能性もありますから、その時は直ちに講演を中断します」

生徒たちは手を打って喜び、何もしゃべっていないのに大きな拍手だ。

壇上に招かれたが、階段を上るのもままならない。、

必死の数分が過ぎた頃、

「この辺で講演は終わりましょう」

と、先生が助けに入ってくれた。

何をどのくらい話したのか憶えていない。

ただ、あの頭痛だけはいまだに記憶に残っている。

そして思い出すたびに顏をしかめてしまう。


それ以後、私は酒は極力飲まない。

ぜいぜいが乾杯の一杯だけにしている。


わが劇団の風潮として「食べる劇団」で飲み会はめったにやらない。


飲み過ぎに注意しましょう!!