呼吸 2
息を吸ったり吐いたりするのが呼吸では、
「呼吸って何?」
の答えにはなりません。
生きるために、体内に酸素を供給し、
二酸化炭素を排出することです。
それも「ま、そうでしょう」
と言うことにしかなりません。
しかし、わたしは此処で取り上げている「呼吸」とは、
役者のための教室で取り上げている「呼吸」なのです。
稽古の最中に、
「ね、君、呼吸してる?」
と質問することがあります。
あなたはムッとします。
「呼吸してなければセリフは言えません」
「そう・・・じゃ誰の呼吸をしてるの?」
「誰のって、もちろん私のです」
「そうでしょう。だから言ったんです」
「・・・??」
「あなたがしなければならないのは演じている○○子さんの呼吸なんです。”わたしの呼吸”では違うでしょう?」
これは大変な問題の指摘なんです。
最近、こんな指摘をする演出さんや監督さんはいないのではありませんか?
こんな面倒な指摘をするとたいていは嫌われます。
でも、わたしは敢えてします。
○○子さんはどんな呼吸をしていて、
そのセリフはどのような思いから生まれたのか・・・
まだあります。
「息(呼吸)が合う」とか、
「息(呼吸)が合わない」ということばがあります。
これは相手役との呼吸ばかりではありません。
大きく言えば「作家との呼吸」「作品との呼吸」があります。
「えっ?」
と思われる方もあろうと思います。
この問題あは致命的になる可能性がありますから、
気付いたら、早めに作品から降りるか、
自らの考えを転換させることをおすすめします。
作家、演出家、プロデューサーなどとの摩擦にもなりかねません。
お互いにとって不幸だからです。
更に、もう一つ。
「間」という問題も呼吸と密接な関係があります。
間とは「あいだ」のことです。
「間」をあいだを空けることだと思っている方はいないと思います。
少なくても演劇畑にいる人は・・・
このようなセリフがあります。
愛という問題について延々1時間の話し合いがありました。
「愛とは何か」
難しい問題です。