勉強!
俳優にとって学びは尽きることがない。
俳優人生の最後までつきまとうのが「勉強」だ。
俳優修業の基本は、人としての日々の生き方にある。
日常生活を役者として意識的に生きる・・・
街を歩く時も役者として歩く。
レストランで食事をする時も、
八百屋で買い物をする時も・・・
1時間の外出の中の15分でもいいのだ。
道端のタンポポを見るとき、
「蒲公英」として見てみるのも面白い。
イチョウの木を見上げて「公孫樹さん」と
挨拶を交わすのもいい。
近々、ワークショップを考えている。
冬の神宮外苑の公孫樹並木を歩きながらのレッスンや、国立競技場の解体作業を見ながらの発声訓練もいいかもしれない。
父や母を見つめ直し、兄弟や友人を角度を変えて見直すことがあってもいい。
また、自分をギリシャ時代の劇作家、ソフォクレスに仕立ててもいい。
自分の人生を逆さに立てて見つめるなんてのも面白いかもしれない。
ま、勉強と言いながら遊びのように思えるかもしれない。
それは「お遊び」ではない。
「ゆっくり道を行く」という意味でとらえたい。
実は、これが大切なのである。
続く。