「寒いッ!」
この冬は寒い。
家の中でぬくぬく飼われている犬はいい。
こんな冬は、
やはり人間と同じ屋根の下に住むべきだとつくずく思う。
身体を丸めてもなかなか暖まらない。
つながれてなければ、
走り回って身体を温めるものを・・・
つらいなァ。
こんな日は、
普段は思いもしない考えにとらわれる。
「主人は幾つになるんだろう」・・・我輩の頭をよぎった。
かなりの年齢のはずだ。
最近は足もわるそうだし、以前から痔もちのはずだし、血圧だって高そうだ。
下手すると我輩より先に逝かないとも限らない。
置き去りにされるペットは悲惨だ。
我輩の寿命はあと5年はある。
いや、人間と違って、犬や猫が持っている予知能力や透視能力は高い。
天変地異についても、緊急地震速報が出る前に
「何かある」
と勘が働く。
そして数分してグラッとくる。
そういえば、さっきからクラクラするのだが、これは空腹のせいだ。
主人の懐のせいか、最近の食事が物足りない。
質も落ちた。
いや、これは主人のせいじゃない。
政治が悪いのだ。
気候の寒さと政治の寒さが、
下々の我らに牙をむいているのかも知れない。
コワイ~ッ!