続・我輩は犬である(7) | 演劇人生

演劇人生

今日を生きる!

「寒いッ!」

この冬は寒い。


家の中でぬくぬく飼われている犬はいい。

こんな冬は、

やはり人間と同じ屋根の下に住むべきだとつくずく思う。

身体を丸めてもなかなか暖まらない。


つながれてなければ、

走り回って身体を温めるものを・・・

つらいなァ。


こんな日は、

普段は思いもしない考えにとらわれる。

「主人は幾つになるんだろう」・・・我輩の頭をよぎった。

かなりの年齢のはずだ。

最近は足もわるそうだし、以前から痔もちのはずだし、血圧だって高そうだ。

下手すると我輩より先に逝かないとも限らない。

置き去りにされるペットは悲惨だ。


我輩の寿命はあと5年はある。

いや、人間と違って、犬や猫が持っている予知能力や透視能力は高い。

天変地異についても、緊急地震速報が出る前に

「何かある」

と勘が働く。

そして数分してグラッとくる。


そういえば、さっきからクラクラするのだが、これは空腹のせいだ。

主人の懐のせいか、最近の食事が物足りない。

質も落ちた。

いや、これは主人のせいじゃない。

政治が悪いのだ。


気候の寒さと政治の寒さが、

下々の我らに牙をむいているのかも知れない。

コワイ~ッ!