稽古を練習と思っている人が多い。
学び、習得するという意味がないわけではない。
しかし演劇の稽古を、
稽古場に勉強に来ている感覚でつかまえもらっては困る。
武道にもある言葉だと思うが、
演劇の場合は、
作品によって求められている姿に接近するための場なのである。
つまり、
役の人物が声なき声で主張している、その姿に、
「これで、どうだ!」
と挑む場なのである。
そのための修練の場だといっていい。
稽古場で、
「勉強になりました」
などと言うな。
もったいない。