いま、ぼく等にできることは何だろう。
ことばで元気を届けることもできない。
パフォーマンスでも、
モノでも・・・
ほんの真似事しかできていない。
ここで自分は何を専門にしているのかを考えてみました。
演劇こそ、ぼく等の専門ではないか。
言い換えれば、
ぼく等は「心」の専門家だ。
演劇を創るとき、
劇場には数百人の人々が集まってくれる。
しかし、
ぼく等は「ひとり」を相手にして演技をする。
「いち」対「いち」・・・あなたとぼく、ぼく等一人一人です。
1対1の世界なのです。
何十人、何百人を相手に創るお芝居もあるかもしれません。
しかしぼくが相手にできるのはあなた一人です。
何を届けるのも、あなたひとりに・・・です。
舞台と客席は1対1に世界です。
そこでつながり合えるのは「心」だけです。
「役を創る」・・・創造内容の表し方に窮した人のことばではないでしょうか。
「心づくり」=「役づくり」
相変わらずの牽強付会・・・?
いいでしょう。
少なくても、ぼくの、ぼく等の創る演劇作品は、こうして舞台にのるのです。
だから、眼に見える何ができていなくても、
被災地の皆さんと心でつながりたい・・・
この作品を通して、この思いを精一杯表現したいと考えています。