稽古 | 演劇人生

演劇人生

今日を生きる!

きょうを含めて2日間・・・

来週の火曜日は朝10時から21時まで。

きょうは夕方から21時まで。

ところがきょうは「休ませてくれ」という電話が・・・

「一体何を考えているの?」

体調がよくないというのだ。


・・・過去に何度かあった。

かつて所属していた劇団での話だ。

ぼくの父が倒れて死亡が確認され、

劇団に電話が入ったのが午前10時少し前。

10時から稽古で、終わったのが22時。

伝えられたのは稽古が終わってからだった。

「お父さんが亡くなったそうだ」

稽古に身が入らなくなるといけないので、

知らせたのが遅れたのだという。

ところで、

その日の稽古は公演1ヶ月前、

しかもぼくの登場する場面の

稽古はなかったのである。

「親の死に目にあえない」仕事とはこのこと・・・

一人納得する以外なかった。

急いで帰宅したが、すでに山形からも

親戚一同到着していた。


連日12時間を越える稽古で

全員くたくたになっていた。

初日の前々日である。

そこに、親分が稽古を見学した。

「なんだ、これで幕を開けるのか?」

の活が入り、全部作り直すことになった。

全員、今夜は帰れないので、

家に連絡するように指令が下った。

22時稽古開始。

主役の女優はろれつが回らなくなった。

「あ~~あ~~~いし~~うあ」

「誰かセリフだけ当ててやれ」

出ていない女優がアテレコをしながら

翌日12時まで稽古は続いた。

初日~3日間は主演女優は回復しなかった。

「あ~あ~いい~えう」の言い回しで

舞台は続けられた。


これがいいとは思わない。

しかし、この経験から、

お芝居づくりは命がけだと思わされた。

「アルバイトの時間が・・・」

などという具申は一切通用しない。

「だったら辞めていいよ」

それ以外の選択肢はなかった。


だが、いまの我が劇団で、

こんなことをいおうものなら、

明日、残るのは2~3人かもしれない。