劇団アドックは創立以来ノルマ0を貫き通している。
これは劇団アドックのコンセプトからきている。
公演積み立てや負担金も0(ゼロ)である。
私たちは、自分の仕事に自信と誇りを持ちたい。
身内ばかりではなく、知人、或いは、
道で会い、行きかう人たちにも
「観て下さい」といえる舞台を創ろうという思いから、
ノルマや負担金は課していないのだ。
劇団費の¥3,000も、
倉庫代が出ればいいではないか・・・
事務所経費は代表と演出が何とかしよう・・・
公演赤字も同様で行こう・・・
劇団アドックで創る演劇はこれだ・・・
皆さん観て下さい・・・
この考えこそが本道だという考えを貫いてきて
きょうがある。
10年の中で借金に押しつぶされそうにもなった。
旗揚げ公演で抱えた赤字が300万円を超えた。
次も100万をゆうに超えた。
文化庁(独立行政法人の振興財団)に
助成を申請しても却下され続けている。
多くの人に「何故通らないのか不思議」と言われながら、
「もう諦めた」と返事をした。
・・・ところで、
いま、このノルマ0に危機が忍び寄っている。
が、ぼくは「だったら解散しよう」と思う。
このような劇団は今の演劇界にはなじまないとすれば、
谷啓さんのお別れ会での仲間からの弔辞のように、
あの世でやればいいではないか・・・と思ってしまう。
この世で、うんざりした演劇人がいっぱいいるはずだ。
これの結論は来年中に出るかもしれない。