散骨というのがあるらしい。
骨を粉々にして望みの場所でまいてくれると聞く。
親の代から墓はあるが・・・
お墓の前で泣かないで下さいという歌がある。
例え死後の魂があるにしても、
寒々しく、
或いは夏は炎天下に置かれた墓に
潜り込んでいたいとは思わない。
許されるなら、
ぼくから墓はいらないような気になってきた。
・・・というのは、
今夕、東京駅構内のベンチに座っていたら、
隣に座った老夫婦が話していた。
「それ何回目の法要だといって
みんな集まるのも無意味とは言わないまでも、
九州だ北海道だじゃかわいそうだよ。
わたしたちの死んだ後は、
もうやめてもらおうかね」
ご婦人からの提案だった。
ご主人は、
「おれもそう思うな。
おれは骨を海にまいて欲しいなぁ」
ご婦人は知り尽くしているのか、
「富士山の見える湘南の海でしょう?」
「そうだよ。一緒にどうだ?」
「あっはっは・・・わたしはあなたの10倍生きますからね。一緒は嫌ですよ」
「お前は欲張りだ」
・・・とまあ、こんな会話でした。
なるほどなァ・・・と思いながら聞いていた。
お~ッ、赤坂アークヒルズのビルの間に
大きな三日月が見えてきた。
おやすみなさい![]()