
本文はここから
禁煙大賛成!
ぼくは以前、
ショートポープを日に6箱吸っていた。
ある時、日に10本ほど吸う母が、
こたつの上においた吸いかけの煙草で布団を焦したことがあった。
居眠りをしていたのである。
それで決意して、バーター契約を交した。
ぼくもやめるからお袋もやめることだった。
母はあっさりとやめた。
だが、ぼくは死に物狂いだった。
コーヒーが好きで日に1~2回は喫茶店に入っていたが、
実はタバコを吸うために入っていたことを知らされる。
赤提灯も同様だった。
食事すら、済ませた後の煙草の美味しさを味わうためだった・・・
極端だが、そんな思いすら味わされたものだった。
やめた・・・やめられた。
一ヵ月後、一分、二分と喫煙を先延ばしにして来たが、
購入しておいた煙草全てを焼却し、
煙草と縁を切った。
一ヶ月後は、煙草の匂いをかぎつけると、
足を止めては煙を味わっていた自分から解放された。
しかし半年は飴を舐めたりピーナツを頬張ったり・・・
口中はあれる、手は震える、足の裏を虫が這う・・・・
そんな感覚からも解放されたのは半年くらい経ってからだった。
禁煙家から嫌煙家へ
新宿のホームを歩いていて、
煙草の火にコートを焦された。
「待て」
・・と声をかけた。
「たばこの火にコートをくっつけてきた」
そんな言い訳を通そうとした男がいた。
その後、小学校の制服を着た女の子が、
襟元に火をつけられて泣いている姿を見た。
くっつけた男はそそくさと逃げ去った。
以前のおれの姿だ
と思った。
その後喫煙コーナーが設けられた。
大きな灰皿に投げ捨てられた煙草は消えずに、
モウモウといぶり続けている。
コーナーがかえって大迷惑なスペースになった。
全面禁煙大賛成!
愛煙家諸君、
君たちにはすまないが、
いまのぼくは嫌煙家になってしまった。
草をいぶして、その煙を吸うためには、
人並み以上の苦労を感受しなければならないのだ。
これは時代の要求だと思って、
綺麗な空気を吸う
仲間入りしてはどうだろうか。
ま、無理にはすすめないが、
住みにくい世の中、
更に狭くすることもないではないか・・・
これを機に、禁煙しましょうよ!
住むエリアがグ~ンと拡がることだけは確かですから。