「あの蔦の最後の葉が落ちるとき、私の命も終るんだわ」
ジョンジーは言った。
みぞれ交じりの嵐が去った翌朝、
ジョンジーの友人スーディがシェードの横から蔦を見た。
・・・が、最後の一枚の葉は残っていた。
いつか傑作をものにすると言っていた一階下に住む老画家が描き残した、
落ちることのないたった一つの傑作が、それだった・・・・
あまりにも有名な、
O・ヘンリーの短編小説「The Last Leaf」である。
12月にレストラン公演が決まり、脚色した。
数年ぶりにふるさとの日本に帰ってくる女性シンガーがいる。
彼女の歌を入れた演劇を作ってくれと言われていて、
やっと昨日完成した。
原作には出てこないフェアチャイルドというスーディの叔父と、
ストリートアーティスト、ミス・リースン、
画材店の集金人マックという人物を新たに参加させた。
・・・結構、よく出来たと思う。
O・ヘンリーによって与えられた魂に・・・
日本の片隅で、
更に新しい魂を吹き込んだつもりだ。
だが、彼等の持っていた温かみも優しさも、そのままである。
今度は、劇団の俳優女優諸氏と、お客さんたちによって、
もっと親しみ深い人たちになってくれるに違いない。
ぼくは、それを期待している。