夜陰に紛れて・・・ | 演劇人生

演劇人生

今日を生きる!

エレベーターから降りると、

目の前を黒い影が走った。


「・・・?!」


コウモリだった。目


H型のマンションで、左右に100メートル以上はあると思われる廊下がある。


その廊下のほうに向かったコウモリは、T字の行き当たりを左に曲がって見えなくなった。


しばらくすると、また戻ってくる。

          ビックリマーク

左右に廊下を飛び回り、再度エレベーターホールに曲がってきては別の廊下へと飛び去った。


何時までもあのままで飛び続けられるわけがない。



急いで窓を開けて、出て行かせようとた。

・・・が、明るい廊下を気持良さそうに滑走し続けている。


と・・・2~30メートル先で消えた・・・!?

「・・・?」

             ビックリマーク

行ってみると、開いた窓があったのだ。

奴さんの入って来た窓はここだったのか・・・


折角開けてやった窓を無視されたような気持になったが、

奴はコウモリだ。


外を見ると・・・

東京ミッドタウンの高層ビルを背景に幾多のコウモリが飛び交っている。


しかし明るい廊下をすいすい飛び回り、

夜陰の中に戻っていたが、

コウモリは目で見て飛んでいるのでないことが分かったような気がする。

             しょぼん

我輩の人生を振り返ってみると、

あっちへ迷い込み、

こっちに迷い込んできたように思う。


しかしコウモリよろしく、

すいすい・・・というわけには行かない。




あっちにぶつかり、こっちにぶつかり・・・


おいらの今も

             べーっだ!

ぶつかった壁の下でもがいているようにも思えてくる・・・


こんあ年になって・・・


登りたいと思った山があったのだが、


登れているのだろうか・・・


コウモリみたいに、目を開けるまでもなく

行き先へ飛んで行ける、


そんな力が欲しいなァ・・・


よし・・・今度生まれてくる時は、


我輩はコウモリだ。

               ニコニコ

・・・なんて思いながら、


東京ミッドタウン裏のガーデンを見下ろした。

               にひひ

おおッ・・・男女が抱き合っている!


眼が慣れてきたのだ・・・


見える、見える・・・

               目

折角慣れた眼で見るものは・・・

他人の睦みあいっかァ!

バカバカしい・・・サイナラ!

               むっ