テーマブログに続いて・・・
書き足りない大切なことがあったので、
(嘘の修正を兼ねて)
付け加えることにする。
二日酔いは、夕方になって治まった。
昨夜に続き稽古場に足を向けた。
劇団員が全員集まったのを待って、
「夕べは歯止めが利かずご迷惑をおかけしました」
・・・神妙に謝った。
すると全員…
「・・・?」
しばらくして一人が、「迷惑って・・・何かあったんですか?」
「何と言うことだ…全てを自分の胸に閉じこんでくれていたのか!」
自分から打ち明けておいて、ドギマギしてしてしまった。
返事に困った。
「えゝ、酒を飲みすぎて羽目を外してしまいまして・・・」
「へえェ、先生が酒でですか?」
「そういう先生を見たことがないから、今夜一緒に行きましょう」
「徹底的に羽目を外した先生を見たいですね」
そこで、つい胸を触ってしまったと言われた彼女に目がやった。
彼女はにっこり笑みをたたえて、コックリとうなずいたのだ。
「・・・!?」
いたたまれない思いに駆られて、
「では、稽古しましょう。羽目を外して厳しく見ますからね」
・・・などと、辻褄の合わない言葉をはいて稽古に入ったのを覚えている。
勿論、その夜はまっすぐ旅館に帰り、
出された夕飯を、「済みませんでした」
を連発しながら食べて床に就いた。
その頃は女房もいたし子どももいた・・・わけだから、
他の女性の何処であろうと触れたとなれば浮気である。
・・・なのに、妙にくすぐったい思いに襲われ続けていた。
昨日、胸を触った女性は左側に寝ていた。
数回左に向けて寝返りを打ちながら、
どんな風にして触ったのだろうと思った。
「うん・・・?」
ぼんやりと昨夜の状況が蘇ってきた・・・ように思った。

あッ、おれは覚えている・・・確実に思い出せる。
彼女の胸に顔を近づけ、
乳首を口に含んだように思う。
「ふっくらした乳房のわりには、乳首が小さいね」
そんなことを言ったように思う。
「前後不覚に酔っていても、完全に忘れるなんてことはないのかもしれない」

「これは、紛れもなく浮気で、女房を侮辱したと同じだ」
僕に女房のあることは、早紀(仮名)さんも周知の事実なのだから。

この事件以来、見に行ってくれという依頼を断わるようになった。
・・・つまり、以来二度と行かなくなった。
あの彼女も結婚したと風の便りに聞いた。
当日から3日間のうちには、
霧の彼方に霞んでいた当日のこ行状の全てを思い出した。
お互いに抱擁し合ったことをも・・・
だが、そこまでだったことも思い出した。
最後の一線は越えていない。
僕も、そこまでは求めなかった。
今は、女房と別れているが、
その理由にこの浮気ごっこは入っていない。
ありもしない疑いがもとで、離婚に至ったのだが、
考えてみれば、
実際は、“ありもしない浮気”ではなかったのだ。
ここで打ち明けたことで、何も起きないだろう。
離婚後15年以上も経っているし、
事件扱いにしても時効ってものがあるんだから・・・・
「豪さんは真面目だから」
・・・と、下世話な話から阻害されている程の僕なので、
こんな歴史を背負っていることが知れたら、
いま一緒に芝居作りをしている仲間たちは眼を丸くするに違いない。
或いは、「へェ・・・人間臭いところもあるんだ・・・」
なんて安心されるかもしれない。
これが、書き足りていない内容である。
何だか、懺悔の一説のような気もするが、
当事者のみなさん、どうぞお許し下さい。
m(u_u)m