拝啓…ゴキブリ殿 | 演劇人生

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拝啓、ゴキブリ殿


我々人類より遥か前に、この地上に生を受け、
たくましく生き抜いてきた大先輩に申し上げます。


敬意をは払われることもなく、

手段を選ばぬ撃退作戦を展開されながら、

自尊心をもかなぐり捨てて、
しぶとく生き抜いているのは何故ですか。



また、何故貴殿はこの世の嫌われ者でありながら、
昆虫として生きながらえていられるかです。

クワガタやカブトと大差のないコスチュームでありながら、
貴殿は何故嫌われるのかご存知ですか。


「コンバット」などという凄い殺傷能力や、
小ばかにしたようなネーミングの「ゴキブリホイホイ」
そのものずばりの「ゴキピタ」「フマキラー」「バルサン」
等々の駆除作戦に合いながらも、
生き延びるたくましさは、
どこから来ているのですか。


摂氏10度から30度の範囲内ではすばしっこいが、
寒くても暑すぎても極端に動きが鈍くなり、
50度を越えれば死んでしまうのに、
絶えることなく生き抜ける謎を解き明かしたいのです。


先日は、稽古場のトイレに入り込み、
女優連中を「キャ~キャ~」言わせ、
手で掴んで外に逃がそうとした好意の人類には、
その者の手に噛み付き、恩を仇で返した。


嫌われもので、様々な殺戮にも耐え、
ゴミをあさりながらもたくましく生きながらえているのは、
我々人間と何処が違うのですか。



ゴキブリからの答え・・・
「好きになって欲しくない。おれたちはいつまでも嫌われ者でいたい」
「この世に生き物がいる限り、俺たちは生きている」
「少子化に悩んでいる人間とは違い、繁殖力旺盛である」
「人間には長生きして欲しいし、子どもを沢山産んで欲しい」
「 “ゴキブリ人間”などという差別用語を使わないで欲しい」

ゴキブリ殿は
依存性が強い割りに、
我々人間にだけ依存しているのではない。

我々人間は、ゴキブリ駆除の声を上げる前に、

身の回りをきれいにし、

ゴミに気を使い、

ゴキブリの前に、

駆除されないように気をつけなければならないのでは・・・・

そんなことを考えている。