今冬、山麓を歩くと、マヒワ、アトリの群れが、上空を飛び交いながら、ときに樹冠で実をついばみ、ときに地面に落ちた実を探す光景をよく目にします。

この日、地上で採餌しているアトリの群れを観察していると、突然蜘蛛の子を散らすように一斉に飛び立ち、跡形もなく姿を消してしまいました。

次の瞬間、ブッシュの奥から現れたのがこのハイタカでした。アトリを追って直ぐに飛び去りましたが、胸にオレンジ褐色の三日月斑がある若鷹でした。

 

この山では、留鳥として山地帯から亜高山帯にかけて少数が繁殖しているようですが、冬鳥の渡来に合わせて、それを追うように北国からやってくる個体が多くいます。

この若鳥はどこで生まれ育ったのか、しばらくの間、そんなことに思いを巡らせていると、何事もなかったように、再びアトリの群れが戻ってきました。