1年前、自分が卵巣癌になるなんて思っていなかった。

前半の半年は、大好きな旅とフィギアスケート観戦であちこち飛び回った。人生で初めてフルマラソン完走して、旅ランという新しい趣味もできた。
異動した新しい職場のことで不満たれながら、夜はジムでズンバ、エアロビ、ボクササイズ、ヨガ、筋トレでストレス発散してた。

好きなことを好きなだけ楽しんでたら、人間ドックで引っかかって癌だった。それからは、検査、手術、抗がん剤と転がるように過ごさざるを得なくなった。

私は独身で子どももいないし、好き勝手に楽しく暮らしてきたし、私が癌になっても困る人はあんまりいないから、神様が誰か癌になる人を選ぶのだとしたら、適役だったかもしれないと思った。親不孝だったし、人を不愉快にさせたことも沢山あったろうし、私が選ばれても仕方ないなぁと思った。

そして、人間先なんてわかんないなあと思った。生きたいなら治すしかないし、今まで考えてなかった死が急に近づいた気がした。

でも、不思議と必ず治ると思ってる自分もいて、癌がわかって私は一度も病気のことで泣いてない。我慢してるわけではないけど、泣くとしたら、治った時の嬉し涙にしたい。もしくは、命の限界がきてしまって、どうしても諦めないといけなくなってから涙を流したい。今は、涙を流す時ではないと思ってる。

癌がわかって、命の大切さ、人の優しさ、生かされている事への感謝、空の美しさ、風の気持ち良さ、働けることの素晴らしさ、日常の有り難さ、色んなことを感じられた。癌になりたくはなかったし、癌になって諦めたこともあったけど、癌になったことで気づいたこと、感じたことが沢山あった。

色んな思いをした濃い1年だった。来年は、もう少し穏やかな1年にしたいけれど、癌が治ったら、まだ行きたいけど行けてない国へ必ず行こうと思う。人生一度キリ。後悔しないようにやりたいことにどんどんチャレンジしたい。

世界中の人が、来年はもっと素晴らしい1年、平和な1年を過ごせるといいなあと思う。