カッパはんの暮らす大沼湖畔の森には本当にたくさんの動植物が生息しています。移住してからのこの一年近くで多くの出会いがありました。それでも幸か不幸かはさておいて、いまだに遭遇出来ていない動物はいくつもあります。シマフクロウは是非お目にかかりたい。でも大沼湖畔の森には住み着かないで欲しいな。生態バランスが総崩れしそうだから。エゾリスも野ネズミも、そしておコンの子供たちも、みんなが怯える恐怖の森になっちゃいそうです~😱。そんな中でいまだに会って無かった珍しい森の住民が、カッパはんの森にやって来ました。「おまん、誰ながじゃ?」


まだまだ薄暗い朝の6時前。カッパはんは嫁さんに叩き起こされました。「早くっ!なんか白くて変なのが来てる!」へ?白い?変なの?うわっ!なんだこれ!?
小鳥の無料食堂に乗り込んで来たのは「テン」です。朝の薄闇に白い顔が浮き上がって目立ちます。まさかエゾクロテンなのか、君は。
 北海道の野生動物はなぜかかわいいのが多いよね。そしてこのテンも例外ではありません。でもその見た目とは裏腹な、残忍で凶悪な肉食ハンターですえーん。エゾリスやモモンガはもちろんのこと、キタキツネの子供やエゾユキウサギすらも捕食するから。モフモフな外見ですが本体はかなりスリムだよ。成獣の体重は約1.5㎏。それを維持するためにの1日辺りの食事量は、体重の2割以上。野ネズミ換算だと8匹だよ。ヒマワリなんかポリポリ食べてるところを見ると、獲物は乏しいのかな?
食料に餓えているのかヒマワリの種をむさぼり食ってます。警戒心が強いらしく、一口食べるごとに周囲を伺います。エゾクロテンは明治から大正にかけて乱獲され尽くし、今では道東、道央に僅かに残るだけ。ここ道南に生息するのは、かつて毛皮目的に森町と八雲で飼育されていたのが逃げて野生化した末裔です。そもそもは本州から持ち込まれたものであり、種類としては「ホンドテン」と呼ばれています。両者ともに毛皮の変異がとても多く、どちらかに決めるのは難しいな~😓。もしも今朝のこいつがエゾクロテンならば、ちょっとした大発見になる?かもねてへぺろ。ちなみに種類がどちらであろうとも、その毛皮はとても高級な品になります。でもカッパはんは手出ししませんよ。願うのはヒマワリ食べたらその足でどこか他所へ行って欲しい、それだけです。
バリバリボリボリ!「テンちゃん!いつまで食べてるっちゃ!」
テンが立ち去ってから数時間。あのちびっこエゾリスちゃんがのんびり現れました。テンが食べ散らかした跡を見ても呑気に無警戒だね。あと数時間来るのが早かったら、大変な事になってただろうにショボーン
たぶんこのちびっこはテンに対する学習はしてないな。エゾリスがテンに狙われたら逃げ切れないのに。当たり前ですが、そこに慈悲が介入する余地はありません。シジュウカラのように空が飛べても、餌場を狙われたらアウトでしょう。特にポテ美ちゃんはガーン。そういえばこの置き型の餌場にはここ4~5日ほど大人のエゾリスは来ていません。ひょっとしたら危険を察知したのかもしれないな。だとしたらそろそろこの無料食堂の閉店時期を、まじめに考えるべきなのかもしれませんね。
 テンの登場は森の住民をざわつかせているのでしょうか?平和な宿場街に抜き身の血刀をぶら下げた浪人が入り込んだような、と例えるのはいささか大げさなようですね口笛。今しばらくは静観しておきます。それではこの辺で失礼します。ご訪問ありがとうございました🐿️🦊くまうさぎ