ほんのさっき暗い森の中をドライブしていたら、嫁さんが房総半島の思い出話をしましてね。実はカッパはんも房総半島にはいろんな思い出があるんです。たくさんフラッシュバックした中から、今回は「呪いの大カエデ」をお送りしましょう。

 

ここは房総半島のとある山奥。人はもちろん鳥も通わぬ廃村を訪ねた時のお話です。当時のカッパはんの愛車はスズキのジムニー。リフトアップにワイドタイヤの素敵な相棒でした。ここ房総半島には秘境、とか魔境などとネット上で取り沙汰される場所がたくさんあります。普通の乗用車では無理な場所も多く、そんな場面でもジムニーはグイグイ入り込んで行けました。さて、大カエデですね。ジムニーで行ける所まで行ったら、あとは小一時間の徒歩です。まずはこの橋で川を渡ります。早くもいい雰囲気をかもしてますな。
このあたりは人の手の入った杉林。でも順路なんてありません。間伐された間隔を見て、自分でこれが道だろう、と判断して進まなくてはだめです。
この廃屋に出会えれば、自分の進路が正しかった事になります。中を覗いたら、朽ち果てた「粉ひき機」がありました。
小屋を過ぎてもまだまだこんな感じで杉林が続きます。やがて前方が開けたか、と思ったらそこに現れたのは、
苔むした墓群が、、、。
これはかつての村人の魂が眠るお墓です。行儀良く、節度をもって通過しました😅。
廃井戸。こうゆうのってイヤだよね。
やがて木立の向こうになにか異質な雰囲気のモノが見えてきました。あれなのか?
たどり着きました。これがネット上でささやかれている「呪いの大カエデ」です。このまま正面に回ります。
なんでしょうね、これ。誰もが思うカエデとは違いますよ。
中央のアップ。苔に覆われて歳月を感じました。
反対側の姿です。根元には石垣が組まれていますが、成長した根の力で内側から破壊されてました。
帰り際に振り向いて最後の一瞥をしました。「見たら呪われる・不幸になる」、なんてまことしやかに語る人もいるようですがね~。ここにたどり着けた事が嬉しいのか、それとも自慢したいのか。この場所の付加価値を高めたいだけなんだとカッパはんは思いました。禍々しさなんてまったく感じなかったよ。そしてあれから5年が過ぎました。今は夜の8時過ぎ。明かり一つ無い廃村に立つあの大カエデは、ここ大沼湖畔の森と同じ満天の星空を、今この瞬間も仰ぎ見ているのでしょうか。
 そんな懐かしい思い出を、今夜はこの辺で閉じようと思います。それでは失礼いたします。