・・・・N・・・・

 

私は進学が決まっていた

東京へ来ました。

 

あわよくば

バイトを探して

大学に・・・

などと世間知らずの私は

漠然と思っていました。

 

けれど

見知らぬ土地で

保証人もなくアパートを借りるのは

なかなか大変でした。

 

結局

大学には行かず

寮があるというホストクラブで

働くことになりました。

 

騒がしくて賑やかで俗っぽい店でしたが

客の中にはそれなりの地位のある人もいました。

それは

この店が

売春まがいのことをしていたからです。

純粋にホスト遊びを楽しむ人と

ソレを目当てに来る人と・・・。

 

・・・・

初めての客は

男性でした。

女性とも経験がないのに

もう衝撃で・・・

 

なんだか

もうどうでもいい・・・・と思いました。

 

何人も客を取って

こんな仕事にもすっかり慣れました。

すっかりこの仕事が染みついて

もう普通の仕事には戻れないだろう・・・

とあきらめの気持ちでした。

 

 

そんな頃

 

私は先輩のホストに目をつけられて

暴行を受けるようになりました。

先輩の客が私に鞍替えしたことが気に障ったようですが

本当のところはわかりません。

 

 

やり口はうまいです。

やりすぎない。

顔は絶対気付つけない。

次の日は動ける程度にとどめる。

けれど

ずっと続く。

定期的に私は殴られていました。

 

中学生のいじめみたいなもんですね・・・。

 

私の身体には何時もあざが残りました。

 

客とベッドを共にしても

私のあざに気が付いても

気に留める人はいません・・・。

みんな自分の快楽で精一杯です。

・・・金払ってるんですからね、

当たり前です。

 

そんな時

 

大野さんに出会いました。

私が暴行を受けている現場に

大野さんが遭遇して

助けてくれたのです。